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第140話 ページ19
ローズハートが規則に執着する理由がこれか……
ルールを破ったからこそ、あの大切な時間を取り上げられたからこそ。
一度味わった苦しみと悲しみを、他の誰にも味あわせたくなかった。
嫌われようともかまわなかったのか……
――でも……ねえ、ママ。
――何でだろう？
――何故だがとっても胸が苦しいんだ。
ローズハートの心の声が、悲しいものに変わっていく。
――お誕生日だけでもいいから、いっぱいタルトが食べたい。
――お外でいっぱい遊びたい。
――もっといっぱいお友達が欲しいよ。
これは、ローズハートの本音。
ずっとずっと、心の奥底で思っていた、彼の思い。
ﾊﾟﾘﾝとガラスが崩れる音がした
この世界が崩壊する音だとわかったのは数秒もかからなかった
トレイ「――――リドル！！！」
エース「炎！おい、目ぇ覚ませって！」
デュース「なぁ……起きてくれ、炎！！」
グリム「ふなぁ〜！子分〜、早く起きるんだゾ〜！！」
八重「炎ちゃん、起きてよ」
もう少し優しく起こしなさいよ
お嬢様は別だけど
まぁ、まだ子どもだしいいか
ゆっくりと瞼を開け、最初に視界に入ったのは、清々しい青空。
ふと首を横に動かすと、ローズハートが自分と同じように寝転び眠っていた。
繋がれた手の感触を感じ、先に起き上がった私は微笑みながら呟く。
炎「――おかえりなさい、ローズハート」
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