ス ト ー カ ー 気 質 恋 愛 【 志 麻 】

助けて ページ27

Aside


それから毎日変な手紙とDMが来るが全て無視している。


今日はあるゲームのイベントの打ち合わせをしていたため、帰るのが遅くなってしまった。


志麻くんの曲を聴きながら帰り道を歩く。


やっぱり、志麻くんが好きだなあって。しばらく自分で距離をおこうと決めたのにも関わらず会いたいだなんて、ほんとに自分勝手すぎる。


……そういえば今回のイベント志麻くんも参加するって言ってた気がするな…。今日の打ち合わせは浦島坂田船でのライブの打ち合わせで来れなかったみたいだけど。


なんとなく、気まずい、かも。会いたいのに、顔を合わせづらいというかなんというか…。


『ほんとに恋って厄介やな…』


なんて誰もいない夜道でポツリとつぶやく。


その時どこからとなく視線を感じ、辺りを確認するが誰もいない。


気のせいかな、と再び歩き出す。けど ＿＿＿ 。


「ななちゃん」


『…！』


いきなり前に男の人が現れて後ずさる。


なに、やだ。怖い…。


恐怖心で声を出すことも出来ない。


「ななちゃん、僕ななちゃんのこと大好きだよ」


フードを深くかぶっていて顔はよく見えないから余計に怖い。まさかこの人がストーカー…？


『な、なんですか…あなたは…』


怖いけども頑張って声を絞り出すが、その声は震えていた。


「なにって…君のリスナーだよ。いつも君に手紙やDMを送ってるでしょ？あれ僕だよ。君の事見てるよ」


やっぱりと確信したと同時にさらに恐怖が増してきた。


怖くて足が震えて逃げることすらできない。


やだ、怖い。怖いよ…。誰か、助けてよ…。


誰か ＿＿＿ 。



『し、ま…くん…』

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