ひとめぼれ (青 × 黄) (ページ2)

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「じゃあまたなー」

バイバーイと神ちゃんと望が手を振る。学校から少し歩いた分かれ道で二人とは別方向。しげとはもう少し先まで同じやねん。…これは余談やけどまだ望としげが両片想いの時は望の俺に対する嫉妬としげの神ちゃんに対する嫉妬がめんどくさかってん

「…なんか失礼な事思い出してへん？」
「べっつにー」

何やねんお前としげが笑い、俺はまた適当に誤魔化す

「あ、せや流星」
「何？」
「朝他の３人には言うてんけどな、今度の日曜暇なら俺ん家来うへん？」
「テスト勉強？」

来たる2週間後にはテストが始まる。しげと神ちゃんは頭ええんやけど俺と望…特に俺は勉強出来へんから高一で知り合った時から4人でテスト前には勉強してんねん

「それもあるけど、俺の従兄弟の兄ちゃんが望に会いたいらしくてさ。そんでそれならついでにお互いの友達紹介しあおうってなってんー」

そうなんや？度々しげの口から出てくる従兄弟さん、めっちゃ仲ええねんて。しげの悪ふざけにもちゃんと対応してくれるらしいねん。すごいよな

「そんでどう？予定ある？」
「ないない。行くわー」
「おっけー。んじゃ、また明日！」

こうしてしげとも分かれ、俺は歩いてく

歩いていくこと10分程、やっとアパートが見えてきたその瞬間やった

「うわっ！」

小さな石につまずいて思いっきり転んでまう

「…痛」

ホンマにアホやわと内心自嘲しとったその時やった

「…大丈夫？」
「あ、はい、すみませ……」

顔を上げるとそこには1人の女性…いや男性かな？がおって、彼は手を差し伸べてくれとった。そしてその手をしっかり掴むとよいしょと立たせてくれる

「びっくりしたわー。いきなり人が転んでんもん」

その人は優しく微笑んで気をつけてな？と頭をぽんぽんしてくる

…え、何この人めっちゃかわいい

「たまにあるんですよね」

とにかく笑ってみせるとそうなんやねまぁ怪我ないみたいでよかったわとまるで自分の事かのように気遣ってくれる

「えっと、あの…」
「あ！ごめん時間や！…いきなり話しかけてごめんな？」

それだけを言い残して彼は走り去っていく。…遅いなぁ

(…名前知りたかったなぁ)

初対面の人に名前聞くんもおかしいのは分かっててんけど、何故かもっと話をしたいって思っててん