鬼ヤバ！ブラックチャンネルに女性が入り込んでいたらどうなるのか？【ブラックチャンネル】

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《覚悟を決める》

今日は会社の人間が集まるリモート忘年会兼、上司の30年勤続の表彰式だ。

実はこの上司、全く仕事ができないまま30年。
かつての同僚や現在の部下に至るまでの全ての人間の力のみで30年間キッチリと会社に媚を売り続けた、ある意味努力の天才なのである。
まぁ、彼のやった努力は媚び売りだけだが。

長年の付き合いである取引先への配慮を欠かさず、しかし新規開拓も忘れない。
パソコン業務もなんのその、部下の失敗をしっかりとカバーした上でそのミスを無かったことにする程の功績を何度も残してきた。

……という設定になっているのが彼である。

上司の上の人間は皆彼を優秀な人材と信じて疑わなかった。
まぁ、蓋を開けてしまえば甘美な情報のどれもが部下の功績であり、部下のミスは彼の作り出した物が大半なのだが……。

しかし、それが露呈するのももはや時間の問題だ。

ブラックが編集した動画を一度見せて貰ったが、彼の傍若無人っぷりがたっぷりと詰め込まれた最高の動画になっていた。

これがパソコン上に流されれば上司の人生は終わる。それと同時に、自分も。

見せてもらった動画には見事に自分の姿は一度も映されていなかった。
映っているのは自分以外の人間が皆パワハラやセクハラを受けている映像のみ。

……これではすぐにバレてしまうだろう。
動画の撮影主が自分であり、長きに渡って見て見ぬ振りををし続けていたと言う事が、全て。


それに＿＿


『では、今年一年、お疲れ様でした！乾杯！』
「……。」

社長の明るい声に相反して心はどんどん暗くなるばかりだ。
いや、いや、待て。覚悟はしていたじゃないか。

この日の為に用意した少しお高めのビールを一気に飲み干し、覚悟を決めた。

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