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MK「傷、見てもつらくない？」

マークは傷を撫でながら優しく問いかけてくれた

A「つらくないわけじゃないけど、包帯で隠してる方が目立っちゃうし、いつまでも変われない気がして…」

MK「ヘチャンが気づいたこと、気にして外したの？」

A「…外そうと思ったきっかけの1つだけど、ずっと前から考えてたことだから…」

包帯をすれば目立つし、かといって外せば傷が見えた時に周りの人に気を使わせちゃうような気がして、自分でも不安だった

A「傷、見えちゃうし隠した方が、いいかな…？」

マークはどう思ってるのか、不安で気になって恐る恐る聞いた

MK「僕はAがつらくないならこれでいいと思う

見たくないって思ったら、僕がまたこうやって見えないようにしてあげる」

マークは3つの傷に口付けて、傷を隠すように痕をつけた

A「、、マクッ…」

MK「覚えてる？胸の傷を見せてくれた時のこと」

A「…うん」

胸に残る手術痕

決して綺麗とはいえない痕

コンプレックスで、見せるのも躊躇っていた私に、
マークは僕が隠してあげるって今日みたいに口付けて痕をつけてくれた

MK「この傷も胸の傷も、Aが見たくないものは僕が隠してあげるから心配しないで」

よかった、ほんとによかった…

って安心したように何度も呟いたマーク

この1年間、マークを悩ませて縛りつけていたものは間違いなくこの傷

A「マークのことたくさん苦しめちゃった…ごめんね」

MK「Aはそれ以上にたくさん苦しんでいっぱい悩んだでしょ
もう何も気にしなくていいんだよ」

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その日はなかなか寝付けなかった

1つ、壁を乗り越えて心も落ち着いたはずなのに

マークが赤ちゃんをあやすみたいに背中をトントンってして、子守唄を歌ってくれた

昔、看護師さんが人の感覚で最後まで残るのが聴覚だって教えてくれた

目を開けることが出来なくなっても、

呼吸が出来なくてなっても、

心臓が止まっても、

マークの声は聞いてたい

彼はそんなこと望んでないだろうけど、

死ぬ時はマークの愛してるって言葉を聞きたい

自分の身体の状態から想像出来てしまうその状況

流れた涙がマークに気づかれないように願った

私を抱きしめる力が少し強くなったことには、気づかなかったことにした

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