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2024年5月
ヘチャンとお見舞いに行ってから3日後
今日も結局来れたのは夜中
病室に着くと、消灯時間はとっくに過ぎているのにわずかな光がもれていた
MK「A？起きてるの？」
A「マーク！今日も来てくれたの？」
いつ、何度来ても嬉しそうな笑顔を見せてくれる
この笑顔を見れるなら毎日会いに来たい
Aに笑顔が戻るにつれて病状は悪化する一方で、
考えたくもないことが嫌でも頭に浮かんで、
Aのそばにいたいという気持ちが強くなる度にそれが出来ないもどかしさもつのっていった
MK「眠れないの？」
A「うん…」
MK「身体、つらい？」
A「…ちょっと
さすがに前よりはつらいかな」
今まで体調のことを言わなかったAが、言葉にしたという事実が病気の進行を余計に感じさせる
MK「Aや」
僕がそばにいても、抱きしめても、Aが楽になるわけじゃない
けど少しでも負担を減らしたい
どうすれば君を幸せにできるだろう
A「マークに抱きしめられてると、しんどいの全部無くなっちゃう
不思議だね笑」
また僕は彼女に気を使わせてしまったみたい
MK「僕は魔法使いだからね」
本当にそうだったらいいのに
MK「先生に薬もらう？そしたら寝られるかも」
A「ううん 大丈夫
ちょうど今これやってたところだし」
MK「ん？なに書いてたの」
A「やりたいこととか行きたいとこ、食べたいもの、書き出してるの 見て」
そばに腰掛けてそれを見ると、
食べたいもの
行きたいところ
やりたいこと
たくさん、ほんとにたくさん書かれていた
Aがこの先の未来のことに言及したのは再発してから初めてだった
移植の厳しさを誰よりもわかっているからか、
自分を責めることが無くなってからも期待することも希望を持つこともしてなかった
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作者名：はるか | 作成日時：2023年12月12日 9時
