希 (ページ5)

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仕事が終わるのが少し遅くなった

6時だから8時には出ないといけないけど

Aももうすぐ起きるだろうし

静かに病室に入ると、窓辺に立って外を見るAがいた

MK「…A！？なにしてるの！？」

A「あ、マークおはよう」

MK「だめだろ？ベッドからでたら」

急いでそばにいって、Aの肩に手をおくと体の冷たさに驚いた

MK「こんなに冷えて…ほら早く」

彼女をベッドに寝かせて酸素マスクをつけた

彼女の方が病気に詳しいからか、このくらい大丈夫と思ってるからか、ベッドから抜け出すことが多かった

今日は調子がいいからつけてなくても大丈夫なのって勝手に酸素マスクをとって

彼女の体があったまるように布団も被せると

A「今日は調子がいいから大丈夫だよ〜」
MK「……」

彼女がしたいようにさせてあげたいけど何も分からない僕は彼女に言わせたら過保護らしい

MK「何見てたの？」

A「景色」

MK「綺麗だった？」

A「ううん変わり映えしないなーって感じ笑」

MK「そっか」

A「ベッドから座ってみる景色と変われば面白いのにね」

MK「…そう、、だね…」

A「でもね、さっきとは少し景色が違うかも」

MK「そうなんだ日の出具合かな？」

A「違うよーマーク鈍感だなー笑」

MK「えぇ？笑僕鈍感？」

A「鈍感だよ笑

一人で見る景色より、マークと見る景色の方が彩やかに見えるの不思議だね」

そう言って微笑む彼女が愛おしくて、彼女の頭を撫でた慈しむように

A「ねえマーク、屋上行かない？」

MK「屋上？だめだろまだ朝は冷えるよ」

気温を理由に反対したけど、本当は一緒に行きたい

再発する前から会うのはAの家ばかりで、今は病室だけ
この時間なら屋上は誰もいないだろうけど、体調が心配でならない

A「えー、朝なら誰もいないよ？」

ほんとこの子は僕のことばかり

自分のことも大切にして欲しい

MK「僕はそんなことよりAが心配なんだ」

A「大丈夫だよそれに動ける時にやれることやっとかないとでしょ？」

こんなこと言われたら反対なんか出来るわけない

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