希 (ページ29)

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MK「おかゆ、冷めてないか気にしてくれたの？」

A「………」

恥ずかしそうに俯いた彼女のことが愛おしくて仕方ない

MK「ふふっ Aは優しいね

ほら、冷める前にスープ飲みな」

A「ありが、とう…」

Aの涙がなかなかとまらなかった

MK「我慢してた分が一気に出たのかな」

A「違うよ、、」

MK「ならどうして？」

A「マークに、」

MK「僕に、なに？」

A「マークに、抱えきれないくらい愛をもらってるって、愛されてるって感じたから、なんか…とまんないの」

Aを抱きしめるのは今日何回目だろうか

MK「伝わったならそれでいい

負担に感じてたらごめん」

背中をゆっくり撫でながら、Aの手が背中にまわってないことは気にしないふりをした

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おかゆは口にしなかったけれど、
スープを全部飲みきったことにAのオモニもアボジもパク先生も、もちろん僕も安心した

これから少しずつ良くなっていくだろうって

でも現実は甘くなかった

それからもAはほとんどスープしか飲めなかった

たまにお粥、ペースト状にされたものなら食べられたけど、スープしかいらないという日が多かった

体重は減る一方で、顔や握った手、抱きしめた身体からもそれは明らかだった

前のように泣き続ける日もあれば

MK「A、、、」

A「…帰って」

会いに行っても僕を見ることなくそう呟いて背を向けることもあった

元々はドリショのアンコンにAとお義父さんお義母さん、パク先生と看護師のキムさんを招待する予定だった

だけど体力が弱まっている状況での外出は危険だというパク先生の判断で取りやめになった

アンコン、カムバの準備で前より会いに行ける回数が減った

電話をしてもAはでなくなった

メッセージを送っても返って来なくなった

会うしか手段が無かったのに、それすらも思うように出来ない自分に焦りと怒りが募っていった

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