希 (ページ25)

今日:16 hit、昨日:20 hit、合計:81,068 hit

25 ページ25

・

A「泣いてるの…？」

いつもより弱々しくて掠れた声

MK「…泣いてないよ」

A「私の、せい？」

MK「違うよ僕が不甲斐ないから」

A「そう思わせてるのは私？」

MK「ううん、僕が勝手にそう思ってるの」

急いで涙をぬぐってAに顔を見せた

MK「ほら、泣いてないでしょ？」

A「…嘘つかないで」

そう言ってAは僕の目尻に残った涙を袖口でふいた

MK「…Aは、どうして泣いてるの？」

A「…わかんないわかんないけど…」

MK「けど？」

A「、、、マークと会うと、つらい…」

わかってた
Aを苦しめてるのは僕だって

でも面と向かって言われるのはきつかった

MK「僕はAに会えない方がつらい」

それでも会わないって選択肢は僕には無かった

ここで離れると終わりだと思った
Aとの関係も、僕自身も

だけどAは、僕の目をまっすぐ見て、声を震わせてこう言った

A「帰って…

それで、もう来ないで…私と、別れて」

MK「、、、」

A「お願いだから…」

MK「…いやだよそれは聞けない」

A「聞いてくれなきゃ、週刊誌に、今までのこと全部話す」

MK「話せばいい」

A「ッ、、」

MK「それでも離れないよ」

絶対聞かない

声を震わせて、手に力が入っていて、何かを我慢するように、何かをこらえるようとしてる子が言ってることなんて

MK「僕と離れること以上につらいことなんて無いだろ？」

相当な自信だよなほんと
自分で言ってバカバカしく思えた

A「、、この特別室も、一般病棟に変えてもらうもん… 病室は、パク先生に黙ってもらうもん…」

MK「泣くな…

僕がAから離れるなんてこと絶対無い
Aが僕から離れるなんてことも絶対無い」

A「じゃ、じゃあ前みたいにし、んんッ」

しぬ、しのうとする

彼女が言おうとしたのはどっちだろう
だけど、そんなこと口に出させたくなくて、キスをしてAの口を塞いだ

MK「そんなこと言わないで」

A「やめ、やめてもうかえっ MK「もう黙ってろ」」

いつもキスする時はAの体調が気になって少ししかしない

でも、もう彼女の口から別れたいとか、帰ってとか、しにたいなんて聞きたくなくて、病気のことなんか忘れて深く口付けた

・