希 (ページ17)

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PK「ちょっと…」

呆然と立ち尽くす僕の腕を掴んで病室から出たパク先生は隣接された応接間に入った

PK「びっくりしたよね？」

MK「…は、はい」

PK「アボジから話は聞いた？」

MK「少しだけ、ですけど…」

PK「そっか…

Aちゃんはね、入院してた小さい時から、自分の病気のせいでご両親に迷惑をかけてるっていう思いが人一倍強かったんだ」

「私が今ここにいるのはアッパとオンマのおかげ一生親孝行していくって決めてるの」

昔、教会で言ってたことを思い出した

PK「昔も、今ほどじゃないけど心が不安定になった時があってね、その時はちょうど手術の目処が経ったから乗り越えられたんだ」

PK「でも、今日Aちゃんが、この部屋高いよねって」

MK「………」

PK「ご両親はクラウドファンディングでお金を集めたって言ったんだけど、彼女ももう子どもじゃないから気づいちゃってね」

A「どこから出てるのこのお金」

PK「そう言って珍しく怒鳴ってね

ご両親も誤魔化しきれなくて、君が払ってることを伝えたんだ

そしたら1人にしてくれって

ここで俺も1人にさせてのが悪かったすまない

20分くらいして様子を見に行ったんだけど、置いてあった文具の中にあったカッターを使って、自分で自分を傷つけてた

出血はもちろんあったけど命に関わるほどじゃない

それよりも今は心の方が心配でね」

再度病室に入って、お義父さんに2人にさせてくださいとお願いした

パク先生が憔悴しきったお義母さんを連れていき、
病室には頭の中が空っぽの僕と目がうつろうつろとしているAだけになった。

MK「A…」

Aのそばに行って、手首が痛まないように優しく、でもちゃんと手の温もりが伝わるようにしっかりと手を握った

MK「A 、僕だよわかる？」

A「…マーク？」

MK「そうだよちゃんと僕を見て」

A「見て、るよ？」

MK「ううん、何も考えないで、僕だけを見て」

消えてしまいそうに見えたAを、どうにか繋ぎとめようと必死だったのは覚えてる

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