希 (ページ1)

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面会時間がとっくに過ぎた23時
灯りが少ない病棟をいつものように進む

音がならないようにゆっくりドアの開け閉めをして、ベッドのそばに置いてある椅子に座る

MK「遅くなってごめんね A」

手を握って甲にキスをする

つけられた酸素マスクと左手首に巻かれた包帯を見る度心が締め付けられる

どうしたんだろう視界がぼやけてくる

最近はどうも気が滅入っている

涙が目から零れてきてしまった

しばらく寝よう
彼女の手にもう一度キスをした

流れた涙を僕のではない手が拭った

MK「…A？？」

A「泣かないで、マーク」

マスクのせいで少しくぐもった声

MK「起こしちゃったねごめん」

A「ううん、会えて嬉しい今日もありがとう」

MK「僕が会いたいから来てるんだよ」

気を張ってないと涙が溢れてきそうだ

A「ふふっどうしたのつらいことあったの？」

MK「違うよ Aと会えて嬉しかったから」

僕なんかよりAの方がつらいはずなのに、情けないな僕は

A「無理して来なくても大丈夫だよ」

MK「そんなこと言わないで僕が会いたいんだ Aは会いたくない？」

A「…会いたいよ毎日、毎時間ずっと一緒にいたい…」

彼女の願いを叶えられたらどれだけ幸せだろう

MK「…나도」

僕はこう言ってあげられることしか出来ない

MK「泣かないで」

A「マークが泣くからだよ…笑」

彼女の目からこぼれた涙に唇を落とす

A「私たち、夜に会うと泣いてばっかりだね笑」

MK「……そうだね」

初めて会った夜もそうだった

A「……」

彼女の心からの笑顔を最後に見てから2年が経とうとしていた

A「ねえマーク、わがまま言ってもいい？」

MK「いいよ」

君の願いを全て叶えてあげたい

A「キスして」

そう言って酸素マスクを外そうとする君の手を止める

MK「A…」

A「お願い、何があってもマークとのキスだけはおぼえておきたいのそうすればどこに行っても頑張れるから」

どこに行ってものどこには、何が含まれてる？

MK「……わかった」

マスクを取って、短く2回キスをして、離れようとした僕の服を掴んだ君

A「足りないよ？」

語尾を震わせながら言う君の目と、僕の目は今にも決壊しそう

苦しくならないように気をつけながら、少し長めの口付けをした

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