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「A、どこだっ」
兄、降谷零の声だった。ここにいると知らせたかったのに、声が出ない。それどころか体が動かない。
熱中症でやばい所まで来てしまったのだろう。視界が歪み、兄の声すら聞こえなくなった。あ、ほんとに死ぬ。
知らせないとマジで死ぬと、首からかけていた水筒を壁へと投げつけた。これで気付いてくれなかったらマジで死ぬ。笑い事じゃない。
全身からこれでもかというぐらいに汗が出て、寒くなってきた。変な呼吸もしている。
死にたくない。まだミツ君を救えてない、このままだと兄が一人になる。それだけは絶対に嫌なのに、くそ。
視界が真っ暗になる中、ドアを叩く音がした気がしたがそれに答えることが出来ずにそのまま意識を手放した。
【諸伏景光】
Aがいつもの待ち合わせの場所に来なかった。
普通ならすっぽかしたとか、他に用事が出来たと思うけど。そんな事は絶対にないということは分かってた。
Aならその事を絶対に伝えに来るし、すっぽかすなんてことも絶対しない。何かあったに違いないと、ゼロと二人であてもなく探し回った。
その日は、いつもより暑くて先生が熱中症になりやすいと言っていたから早く見つけないといけないと思った。
「Aは、体が弱いから早く見つけないと」
ゼロが泣きそうになって、声を枯らしながら名前を呼んでいた。俺も一緒に叫んで探し回った。
熱中症になったら、最悪死ぬ。死んだらもう帰ってこないから、早く見つけないとAが。
怖くて、声が途切れそうになった。息が詰まりそうになったし、涙も出た。もう誰も居なくなってほしくなくて、声を出した。
夕方になって、いつもならとっくに帰ってる時間帯。それでも見つからないまま時間だけが過ぎた。
校舎裏の使われてない体育倉庫。もしかしたらとゼロが言うからそれに従って向かった。
「A、どこだっ」
ゼロの声に反応するように体育倉庫から音がした。何かをぶつけるような音が響いた。そこにいるに違いない、俺とゼロは顔を見合わせて体育倉庫を開けた。
「っ！A！！」
中にはAが倒れていた。あの時を思い出させるような光景に血の気が引いて動けなくなった。でも、ゼロが救急車を呼べと言うから俺は走って先生に伝えに行った。
Aは救急車で運ばれた。俺は怖くて、ただ見ていることしか出来なかった。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 夢主と5歳差なら中二のとき兄は19歳のはずです。大学卒業後に警察学校に入校しているので、計算が合いません。訂正してください。 (2023年4月21日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
彩蘭(プロフ) - すごく面白いです!話の筋がスムーズでステキだなぁといつも思ってます!作者さんのペースで、更新頑張ってください! (2021年12月14日 21時) (レス) @page17 id: 56568c64b5 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - ただ気になってしまったのでご指摘させていただきました。夜分遅くに長文失礼しました。 (2019年9月14日 3時) (レス) id: 79920a9bfd (このIDを非表示/違反報告)
ああ - とても面白い作品で応援しているのですが、幼少の夢主ちゃんがいささか流暢すぎでは？と違和感を持ってしまいました。それにつかまり立ちの赤ちゃんはまだ喋れないと思います。これはただの個人の意見ですのでどう取るかは作者さん次第だと思っています。 (2019年9月14日 3時) (レス) id: 79920a9bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おふとん | 作成日時：2019年5月17日 0時
