【歌い手】二次元の人ですよね！？【センラ】

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Aside



主｢出来た･･･｣


ようやく完成したものを見て
思わず笑みがこぼれる


主｢もうこんな時間！？急がなくちゃ！！！｣


ふと時計を見ると予定した時間ギリギリ
店の知り合いにお礼を言ってから
走って会場へと向かう


早く･･･早く･･･ッ


主｢はぁ･･･はぁ･･･｣


会場に着いてスタッフさんに駆け寄ると
事情を即座に理解してくれて
控え室に案内してくれる

控え室のドアを２回ノックして入ると
私を驚いた顔で見つめる志麻さん

私は志麻さんに駆け寄る


主｢志麻さん･･･お待たせしました！！｣


汗まみれだし、息もきれきれだったけど
精一杯の笑顔を作って衣装を差し出した

フユカさんとRIOさんに手伝って貰ったから
絶対大丈夫。少し震えるがなんとか堪える


衣装を受け取ってから黙って衣装を見つめる
志麻さんを見て不安が募る

やっぱ私じゃダメだったのかな･･･ッ


志｢･･･Aちゃん｣

主｢はい･･･｣

志｢めっちゃかっこええ！
ほんまにありがとう！！！！！｣


いきなり志麻さんに抱きつかれる


主｢はっ、えっ？ちょっ、志麻さんっ｣


なんとか離れて貰おうと必死に抵抗するものの
びくともせず、だんだん体が熱を帯びてくる


セ｢おい志麻。ボケコラ、なにしとんねん｣


どうしようも無くて下を向いて
でも必死に抵抗していると
突然声がして解放される

ビックリして顔を上げると
志麻さんの首根っこを掴む夏城さんがいた

笑ってるんだけど･･･目が笑ってなくて
めちゃくちゃ怖い


志｢セ、センラさん？これは･･･えーっと･･･｣

主｢早く行かなくて良いんですか！？
ほ、ほらっ！スタッフさん呼んでますよ！！｣


明らかにやばい雰囲気を察して
私は２人を呼ぶスタッフさんの方を指差す


セ｢チッ･･･おいホクロ行くぞ｣

志｢は、はひ･･･｣


良かった･･･胸を撫で下ろす


セ｢あ。Aちゃん｣

主｢は、はい！｣


ほっとした所で夏城さんに話しかけられて
ビクッとしながらもそちらを向くと
タオルと水を渡される


セ｢それ、僕が使ったやつやけど
良かったら使って｣

主｢あ、ありがとうございます｣

セ｢ほんまは今すぐ抱き着きたいけど
行かなあかへんからちゃんと見といてな？
そんで終わったら･･･覚悟しといて｣

主｢･･･ッ｣


熱を持った耳を抑えながら
私はステージへ駆け上がる後ろ姿を
舞台袖から見つめていた

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