検索窓
今日:25 hit、昨日:1 hit、合計:1,590 hit

知ってる ページ22

花斗side

俺は、兄ちゃんのポケットから、手探りで、吸入器を取り出した。


『あれ...な、なんで...コホッ...ヒュッー...!』


なんで、俺が吸入器の場所を知っているのか

きっと、兄ちゃんの頭の中はハテナだらけだろう。

今は、そんなことより


「いいから、早く吸って。」


兄ちゃんの呼吸と合わせて、プシュッ、と薬液を噴射する。


『はぁ......はぁ...ケホッ...』


席はまだ出てるけど、呼吸が安定してきて、ホッとした。


兄ちゃんを支えて、リビングのソファーに座らせる。


彼は、恐る恐る、俺の様子をうかがいながら、質問してきた。


『...花斗、あのさ...実は...その...』


...そんなに、俺の顔怖いかな


「もったいぶらなくていいよ。」


『ごめん、ずっと何年も前から、さっきの...喘息のこと、隠してた。』


「知ってる。そんなこと、ずっと前から知ってるよ...兄ちゃんが、俺に隠そうとしていたことも。』


兄ちゃんは、ひどく驚いた顔をしていた。


『...だから、吸入器の場所も知ってたんだな。いつから、知ってたんだ?』


兄ちゃんの声が、震えている。


でも、それを無視して、平然と答えた。


「俺が10歳くらいの時かな。お父さんに聞いて、知ったんだ。」


俺は、兄ちゃんに、その経緯を話した。

病気...?→←幻と現



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:セカオワ , サザンカ , 兄弟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ロク | 作成日時:2018年11月17日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。