サザンカ2 (ページ20)

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いらない感情ページ20

草介side

家に帰ってきた時

花斗は、はにかみながら嬉しそうに言った。

「兄ちゃん。俺、画家デビューすることになったよ！それで...東京に、アトリエを構えようと思うんだ。」

あぁ、そうか...

花斗は、もう俺がいなくても、一人で歩いていけるくらいに、成長したんだな

きっと、東京でも上手くやっていける。

だから、こんな感情は、いらない。

「さびしい」なんて、感情は、いらない。

『おめでとう！向こうに行っても頑張りなよ。』

上手く、笑えているだろうか。

涙を見せるな

笑え

笑わないと、花斗を不安にさせる。

「ありがとう！そうだ、今のうちに引っ越しの手続き済ませておかないと。兄ちゃんも手伝って！」

花斗の目は、キラキラ輝いているように見えた。

まるで、小さい頃の花斗のように。

その日の夜。

花斗が寝静まったのを確認して、一階に降りた。

ごそごそ、戸棚を漁る。

お腹、空いたな...

こんな時間に食べたら太るけど、一回ぐらいなら大丈夫だろう

あっ、カップラーメン発見

小さなカップラーメンを、テーブルに置いて、少しずつ食べ始めた。