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嬉しいのに ページ19

草介side



それは。

その絵は。


自分が花斗に作った、あの日の豚カツだった。


結局、花斗のお腹に入ることは、なかった料理。


花斗...?どうして、これを...


温かくて、水彩ならではの良い色合いを出している



もっと、近くで見ようと、近づいた。



いつのまにか、その絵に集まっていた人々は、別のところに行っていた。



目に焼きつくぐらい、しっかりその絵を見た。


下の名前の欄も、ちゃんと花斗の名前が表示されていた。





ーー銅賞 受賞作品 茶山 花斗






ーー「後悔」






タイトルを見た瞬間。


目から熱いものが零れ落ちてくるのを、感じた。



たくさんの人がいるのに、こんな所で泣くなんてみっともない...


だけど...止まらないんだ


止めたくても、止まらないんだ......



花斗...そんな風に感じていたんだな




俺も...本当は後悔していた。


花斗があの料理を壊した瞬間。



ずっと...「後悔」していた。



やっぱり、こんな料理作るんじゃなかったって


花斗を困らせるだけだって


こんなこと、しなければよかった。


ずっと、考えていた。


でも、今わかった。


花斗。


俺がしてきたことは、間違いじゃなかったんだ


今なら、心の底から思える。



花斗をずっと、支えてきてよかった


花斗のことを、信じ続けてよかった


花斗の「兄ちゃん」として生まれてきて



本当によかった





...もう、俺の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。


こんな顔、絶対に花斗に見られたくない




どうして嬉しいのに、涙が溢れるんだろう?

いらない感情→←それは



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作者名:ロク | 作成日時:2018年11月17日 17時

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