心 ページ2
心一side
俺は家でギターを弾いていた。
草介とLOVEを待っている間に、もう5曲も弾いてしまった。
全部、俺と草介の大好きな「ゆず」の曲。
草介とは、よく一緒に歌った曲ばかり。
俺が感慨にふけっていると、ピンポーンとインターホンが鳴る。
「はいよっと、今いきますよー」
玄関を開けたら、頭からモコモコした防寒着を被った2人がいる。
「わっ、2人とも寒かったよね。早く入って。」
「お邪魔しまーす...うぅっ、さっむっいー！」
『...お邪魔します。』
LOVEは寒い寒い言いながら、早足で家に入る。
一方、草介は少し元気がないのか、ノロノロと靴を脱いで揃えて、ゆっくり家に入った。
2人をソファーに座らせて、あったかい飲み物を渡した。
「二人とも、一緒に来たんだよね？」
俺が聞くと、LOVEがうんと頷く。
「そうだよ、草介の家まで行って、そこからは一緒に歩いて心一の家まで来たんだ。」
草介は、相変わらず暗い顔をしたまま。
「そうか...なぁ、草介。なんでわざわざ、俺の家まで来て相談しに来たの？草介の家なら、別に寒い中、歩く必要なかっただろ？」
俺は、別に二人を待つのが面倒くさいとか、そういうことを言いたいんじゃない。
ただ、草介は喘息持ちだから、こんな寒い中歩いたら...結構きつかったんじゃないかなって心配してるだけだ。
ああ、今心の中で思っていること、全部言えたらいいのに、俺も素直じゃないなぁ...
「..................から。」
草介が小さい声で、何かを言った。
「え？」
俺が聞き返すと、彼は虚ろな目のまま言った。
「花斗に、見せたくないから。」
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作者名：ロク | 作成日時：2018年11月17日 17時
