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夢は約束 2 ページ17

本当に親子連れが多い
けれど、みんな笑ってる。楽しそうに笑ってる
それがどこか。羨ましい。

それよりも、けいちゃんって男の子は何処に。
さっき母親が言っていた我儘とは何だったんだろう
それが分かれば、探す手口は見つかったんだけど

取り敢えず、イベント場の隣にあるショッピングモールに行ってみることにした
外は全体探したし、中にいるといいんだけれど

「迷子のお知らせです。白いTシャツに青い半ズボンを着た5歳の男の子の 林 けいくん がお待ちです。」

『けいくんって。』

まさかと思い速攻で迷子センターに訪れた
タイミングの良すぎるアナウンスに気づいてよかった!

スタッフ)もしかして親御さんでしょうか?

『いえ、警察の者です。先程、けいくんの捜索願いをお母様から来まして。お迎えに参りました』

そこには、泣いた跡を顔に残した男の子がいた
子供相手への接し方は私も分からないけど、加藤さんのあの様子を思い出しながら頑張ろう!

けい)お姉さんだれ?

『私は警察官。怖がらせてごめんね。お母さんがけいくんのこと探しているから一緒にいこう?』

手帳を見せると、信じてくれたのか手を繋いできてくれた
そのまま迷子センターを出て、スマホを取り出そうとした時だった

けい)だめっ。お母さんに電話しないで。

ギュッと両足を抱きしめられた勢いに驚いた
既に泣き出しそうなけいくんの目線に合わせて座り込んだ
子供ってこのぐらいの歳だと我儘になる理由が分かる気がするな

『お母さんと何かあったの?』

けい)っ、ぼくっ。ぼく、っう、

うわぁーんと既に泣き崩れてしまった
これはやってしまったと周りから視線が来る中、けいくんを違う場所へと移動させた

誰もいない方がいいだろうと思い、休憩室に入って、自動販売機で買ったパックのりんごジュースを渡した

チューっと吸う様子が堪らなく可愛くて、自然と微笑みが浮かんできた

けい)お姉さん、お母さんに言わない?

『んー。けいくんの我儘全部聞くまではね?』

ニコッとすると、けいくんもニコッとしてくれた

けい)ぼく、欲しいものがあるんだ。

『欲しいもの?』

けい)そう!下のイベントで売っていた車のプラモデル!お父さんといつか車でドライブに行くって約束したんだ!

『へぇ!それでお父さんと約束を果たすためにお母さんに買ってもらおうとしたの?』

けい)うん。……でも、お父さん。もういないんだ


それを聞いた私は息が詰まった

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設定タグ:富豪刑事 , 加藤春   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ひな林 x他1人 | 作成日時:2020年8月14日 5時

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