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その日は、終始樹くんに怯えてその度にジェシーくんが助けてくれたけど、もう朝みたいなことは無かった。
やっぱりあれは見間違いだったのか、あったとしてもよっぽどのことがあったんだ、と自分の中で解決させていた。
だから、帰る頃にはもう樹くんに対しての恐怖心はほぼ無かった。
樹 「じゃあ、そろそろ帰る？」
ジ 「時間も時間だし、帰ろっか」
それから、俺の帰る最寄りの駅まで二人が着いてきてくれて、そのまま解散した。
ジ 「樹のこと、無理して受け入れようとしなくて大丈夫だから」
帰る直前、樹くんが少し離れたタイミングでジェシーくんから小声でそう言われた。
それから、"大丈夫"と答えると、ジェシーくんは少し寂しそうな顔をした。
よく分からなかったけど、その日は特に深く気にせずそのまま帰った。
それから、しばらく前と何も変わらない普通の日が続いた。
ある日、唯一手に入れた(押し付けられた)雑用係の仕事をこなして、そのまま帰ろうとすると教室の扉の前にジェシーくんが立っていた。
こんなに大きいのに気付かなかった自分が恥ずかしい。
ジ 「北斗くんいつもこんなのやってるの？」
北 「やる事ないし、暇潰しみたいな？」
ジェシーくんが樹くんと仲良しなことはずっと前から知っている。
幼馴染以上でも以下でもないって言っていたけど、樹くんのあの姿はやっぱり忘れられないし、変なことを言ってそれが樹くんに伝わって、クラスの人に何かあったら、という恐怖心はあった。
別にジェシーくんのことを信じてない訳じゃない。
けど、やっぱり少し不安なところもあった。
ジ 「暇潰しって…。部活とかしないの？」
でも、ジェシーくんは俺の不安とは裏腹に全く関係ない話を始めた。
北 「…何か、しんどそうだし」
ジ 「雑用よりはしんどくないよ」
そう言って笑うジェシーくん。
樹くんとジェシーくんは、話せば話すほどどれが本性なのか分からない。
ジ 「あー、でも俺本気で部活やってたの中学までだから高校のキツさは分かんないけど。」
北 「高校では部活しないの？」
その質問にジェシーくんは少し不思議そうな顔をした。
ジ 「…え、Ｊ２って言われてるの知らない？」
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作者名：ゆり | 作成日時：2020年4月6日 12時
