オドントグロッサム (ページ8)

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08. ジェシーSide ページ8

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今まで見たことの無いぐらい強い目でそう聞く北斗くん。

…どうするつもり、って何？

その時、今朝の樹からの連絡を思い出す。

確か樹が喧嘩をしたのは、通学ラッシュの時間帯だった。

多分、その現場に北斗くんも居たんだ。

そう考えれば、ここに来たばかりの時何か怖がっているような表情だったのも納得出来る。

…噂で聞いたとしても、俺はただつるんでるだけだって言われてたはずなんだけど。

ジ「どうもしないよ。だって友達じゃん」

本当に樹のことを見たのか、確信は無かったから変な墓穴を掘らないように必要最低限、それだけ言った。

北「…樹くんもそう思ってくれてると思う？」

控えめにそう聞く北斗くん。

その様子を見て俺は北斗くんが樹の喧嘩を見たということと共に、北斗くんは俺と同じ人種だということを確信した。

多分、北斗くんにとって樹は救世主で絶対失いたくない存在で、これだけ狂っててもやっぱり好きで、手放したくなくて、そして手放されたくない。

ジ「俺はね。樹そんな人のこと話さないのに、北斗くんのことはめちゃくちゃ言うから」

これは本当のこと。

久しぶりに俺以外に友達が出来て嬉しいのか、ずっと北斗くんのことばかり話している。

その様子を可愛いと思ったり、少し嫉妬心もあったり。

北「そうかな？ジェシーくんありがとう！」

それだけ言うと、北斗くんは笑顔になって戻って行った。

北斗くんの後ろ姿を見ながら、今日は授業をサボる方を選んだ。

空を見ながら、さっきの北斗くんを思い出す。

あの子も、俺と同じで樹に依存して狂っていくのかな。

そう考えると、確かにこの学校にとってＪ２は要注意人物な気もする。

まぁ、みんなが言ってる意味は違うんだろうけど。

でも、北斗くんと出会ってから樹が怒る回数が減ってきているのも事実だった。

北斗くんが狂うのが先か、樹が戻るのが先か。

俺はそんな馬鹿なことを考えていた。

樹「ジェシーじゃん、何してんの？」

ぼんやりとしていると、急に樹が来た。

ジ「いや、俺いつもここ居るし」

樹「授業は？」

ジ「お前もな」

そうやって笑い合う時間が俺は一番好きだった。