07. ジェシーSide ページ7
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そう言って、樹が連れてきたのは一人の気の弱そうな男の子。
噂で聞いていた"誰とも喋らない転校生"
樹がこの子のどこをそんなに気に入ったのか分からなかったけど、明るく同級生のことを話している樹を見るのが久々で嬉しくて、特に何も気にしなかった。
その子と初めて3人で遊んだ日の帰り道、俺は久々に樹以外の話を自分から持ちかけた。
ジ 「…北斗くん？ってどこがそんなに良かったの？」
"潰しやすそうだから"とか言うなよ。と少しだけ恐怖心もあったけど、考えている樹の顔は明るかった。
樹 「何だろうね、昔のジェシーみたいな気がした。話したこともなかったし、噂も全然聞かないけど、こいつは絶対裏切らない、みたいな」
言っていることは分かるような分からないような微妙な感じだけど、とりあえず頷く。
樹 「いや、お前絶対分かってないだろ。…あとは、何だろう。こいつは守らないといけないって気がした」
そうやって言う樹の目はイキイキしていた。
俺が好きで、憧れていたのは樹のこういう所だった。
口も悪いし、見た目も怖いし、問題もたくさん起こすけど、守りたいと思った人の事は全力で守り抜く。
その素直さが好きだった。
ジ 「…それは、分かるかも」
俺的には樹も十分そうなんだけど、自分で出来ると思い込んでるけど本当は何も出来ない、みたいなポンコツ臭があの子からはした。
"守らないといけない"というのは共感でしか無かった。
それから数日後、いつものように授業をサボるか迷ってとりあえず中庭で寝ていると北斗くんが来た。
最近では俺に気付いたらすぐに話しかけに来てくれていたのに、何を戸惑っているのか何も言わない。
待っているのもしんどくなって話しかけると、圧倒的に暗いテンションで返事を返した。
本当に俺の周りの奴って何でこんなに感情を隠すのが下手なんだろう。
何かあったのか、と聞いても何も言わない。
こういう時は変に追求しない方がいい。
諦めて寝るかどうか迷っていると、北斗くんは突然"なぜ二人は仲良くしているのか"と聞いてきた。
ジ 「そんなの、好きだから以外に無くない？」
そう言っても、北斗くんの顔は明るくならない。
北 「…俺のことどうするつもり？」
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作者名：ゆり | 作成日時：2020年4月6日 12時
