オドントグロッサム (ページ24)

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それからは、大きなことも無く俺と樹くんの卒業の日になった。

3年生になってからは、Ｊ２ではなくイケメン男子として噂されるようになっていた。

ジ「樹も北斗くんも卒業するとか俺一人じゃん」

樹「一緒に卒業する？」

ジ「いや、無理だし」

結局この学校でもそんなにたくさんの人と話したりすることは無かったけど、このかけがえのない二人に出会えて本当に幸せだったと思う。

いつもと同じように、よく分からないことではしゃいでいる二人を見てそう思った。

樹「この学校黒歴史しかないけど楽しかった」

ジ「誰のせいで黒歴史になったんでしょうね」

樹「さぁ？何ででしょう」

そうやって今では笑い話にしているけど、本当に大変だった。

まぁ、今は本当に仲良さそうだから良いけど。

樹「って言うか、北斗くん静か過ぎない？」

ジ「思い出に浸ってるんですか？無いでしょ、そんな思い出」

北「馬鹿にしてるの？」

ジ「してないよ、多分」

そうやって笑うジェシーくん。

ジェシーくんに比べれば、仲良い人も居ないし、部活もしてないし、モテてもないけどそんなにいじらなくても良くない？

樹「まぁ、でもあの時北斗くんが転校してこなかったら俺らまだグレてただろうし、感謝だよな」

ジ「あー、確かに。ありがとう」

北「ねぇ、思ってる？」

ジ「どうだろう？」

北「何か今日生意気じゃない？」

そうやって三人で笑い合う。

やっぱり俺はこの三人で居るのが一番安心するし、好きだと思った。

これからもずっと三人で居たい。

卒業式が終わってもずっと、この二人だけは手放したくないと思っていた。

オドントグロッサム

___ 特別な存在