第5話 ページ5
Aちゃんと知り合ってから数ヶ月。
彼女のことを好きになるまでさほど時間はかからなかった。
ただ最初は居心地いい人やと思ってたけど、
俺の悩みや愚痴も嫌な顔せず聞いてくれる。
女の子にそんなこと言ってる自分どうなんって思ったけど
何だろう？話させてくれるオーラというか。
思わず本音も漏れてしまうというか。
ただ話を聞いてくれるだけの時もあれば
理論派の彼女らしくスパンと切られる時もあった。
その時は痛いとこ突かれてうってなるけど
よーく考えるとそうやなってことばかり。
聞いてもらって一番良かったなと思ったのは
俺が進路に悩んどった時。
大学の同級生は就活を始めて
俺はどうするん？このままなん？
このままでええのか？
デビュー出来るかなんて誰にも分からなかった。
ジャニーズJr.としての活動はただただ楽しかった。
最悪祖父のやってる会社にお世話になればいいか。
いや、そんなんズルいことなんかな？
みんなはこんな就活だなんだって頑張ってるのに。
親には卒業後のことは何も言われなかった。
照史や�陲舛磴鵑砲盡世┐悗鵑�った。
彼らは高校を卒業した時にきっと乗り越えてきた道だから。
そんな時Aちゃんにポロッと不安をこぼしたんだ。
そしたら即答やった。
「少しでも続けたいと思うなら続けたらいいじゃん。
どうしてズルなんて思うの？
一生懸命Jr.の活動してダメだったとしても
それを笑う人はいないよ。
お祖父さんの会社に入ったとしても
それは淳太くんだから出来ることじゃない？
淳太くんは人よりチャンスが多いだけだよ。
恵まれた環境にあるなら活かせばいい。
Jr.のお仕事は辞めたら戻れないんでしょう？
社会人なんていつでもなれるんだからさ。
頑張って頑張ってダメだった、じゃないなら
今辞めたら絶対後悔すると思うな。
Jr.の活動も、
もしお祖父さんの会社に入ったとしても、
本気でやらなきゃ周りも納得しないと思うけどね。
覚悟を決めてやるならどう転んだって立派な道だよ。
勿論、デビュー出来たら言うこと無しだね！」
…あぁ、どうしてこの人は
いつだって欲しい言葉をくれるんだろう。
俺は誰かに間違ってないよと言われたかったのかもしれない。
人として心から尊敬してる。
続く (更新停止中)
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2021年9月3日 20時
