夢を抱きしめて (ページ3)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:784 hit

第3話ページ3

すっかり意気投合した従姉の結婚式以来、

俺と弟、従姉夫婦、Aちゃん、紀香ちゃんで連絡を取り合うことが増えた。

とはいえAちゃんだけは東京に住んでいたので

集まるのはもっぱらAちゃん以外の5人。

仕事で俺が東京へ行った時は2人で飲みに行ったりもした。

中「こんなこと聞くの失礼かも知れんけど

　 Aちゃん彼氏おらんの？」

「え、何、急に？」

中「いや、俺がさ、もし彼氏やったら

　彼女が他の男と2人で食事行くのとか嫌やなーって。

　だから大丈夫なんかなって」

「あーそういうこと？いないよ、いない。

　ここんとこずーっといませーん。

　そういう淳太くんはどうなのさ？

　モテるんだから彼女の1人や2人いるんじゃないの？」

中「ははっ俺もおらん。別にモテへんし」

「かっこいいのにねぇ～？」

中「外見だけ見られるんは嫌や」

「ま、それもそうか」

彼女と会うようになってからずっと聞きたかった。

下心はゼロじゃないけど、

それよりも俺が女の子と2人で自然と出掛けられるのが不思議だったから。

確かに俺は自分で言うのも変な話やけど

モテないことはない。

ただ恋愛は上手くないんやと思う。

恋愛経験なんて数少ない。

女の子と話す時は緊張してしまう。

それなのにAちゃんといる時は素の自分でいられる。

出会った場所が身内だらけの場だったから

彼女も身内感がするんやろうか？

紀香ちゃんとは2人きりで会ったことはないから

こういう風に思うかどうか分からんけど。

だからAちゃんの存在は貴重やなって思う。