【ツイステ】彼が戻ってきた。 (ページ14)

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１４.Queen of roses Ⅱ ページ14

・リドルside

彼と仲良くなって数ヶ月。

彼は自分より1つ上の年齢で、友人が数多くいることを知った。

彼は誰に対しても態度を変えず、ありのままで接しているからか先輩後輩問わず友人がとても多い。
ボクも彼の性格に惹かれて友人となった1人だ。

ー

_「ローズハート、おはよう」

「…A、おはよう」

後ろからシェーンハイト先輩と共に歩いてきたAに、ボクはいつも通り彼の名前を呼んで挨拶をする。

「A、前からボクのことは名前で呼んでと…」

A「…いや、俺もそうしたいのは山々なんだけどどうしても慣れなくて…」

はははと困ったように笑うAに、横でシェーンハイト先輩が大きくため息をついた。

ヴィル「ダメよこの子は。

2年間何回言ってもこの子は名前で呼んでくれなかったもの。」

A「うわ、ごめんって本当。」

そんな根に持つなよと肘で小突くAに、シェーンハイト先輩はじとっとAを睨んだ。

そうは言っても、きっとシェーンハイト先輩はボクと同じで名前で呼べとは強調出来ない。

彼には断固として名前で呼ばないそれ相応の理由があるのだろうし、もし強調して彼に嫌われたりするのが1番怖いから。

彼にある分厚い壁を蹴破ることは、きっと出来ない。

「…あ、そうだA」

A「？なに？どした」

「もし君さえ良ければ、なんでもない日のパーティーに来ないかい？

トレイもケイトも君に是非来て欲しいと言っていてね。」

A「え、ハーツラビュルじゃないけど行っていいの！？

俺甘いもの好きだから超嬉し「ちょっと待ちなさい」」

顔を綻ばしたAの横で、シェーンハイト先輩が鬼のような顔でAを睨んだ。

その凄まじい形相に思わず数歩後ずさる。

A「シェ、シェーンハイト…。」

ヴィル「貴方は確かに肌の調子も良いし体格も体重も今のところ文句なしだけど…、そんな砂糖の爆弾みたいなお菓子食べたらどうなるか分かってるんでしょうね…？」

A「…シェーンハイト……ダメか…？」

しゅん…っと効果音がつきそうな雰囲気に、鬼のような形相だったシェーンハイト先輩も思わずたじろぐ。

その後数度口をもごもごと動かしたあと、額に手を当ててため息をついた。

ヴィル「しょうがないわね…。食べ過ぎないなら良いわよ」

A「だってリドル、じゃあその日よろしくな」

にこやかに微笑むAに、ボクは思わず苦笑いをこぼす。

ただ、胸の内は楽しみで仕方がなかった。

パーティーは、出来くなるというのに。