【ツイステ】彼が戻ってきた。 (ページ12)

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１２. ページ12

・監督生side

「…なにも、変わってない…って」

まるで、私の昔を知っているような言い方…。

A「………ユ「監督生とAさーーん！！来ねぇのーー！？」

ブンブンとトレイ先輩の隣に腰をかけ、手を横に振るエースに、こっちの都合も少しは考えろやボケー！と心の中で声を張る。

いや、Aさん少しでも無理をしてるのではなかろうかとチラリと見ると、Aさんはまたいつもの無表情で此方に手を差し出した。

A「…俺なら、平気だから…。

早く行こう、ユウ…。」

「あ、はい。」

慣れたような仕草でAさんは私のトレーを奪うと、そのまま私と同じ歩幅で歩き出した。

いや、イケメンかよｯ！！！！

知ってたけどさ！！顔もそれだけイケメンならそりゃ性格もイケメンだよな！！

…いまいち、彼の考えてることが分からない。

ー

リドル「………っ。や、やぁA。

元気そうで良かったよ。」

ぎこちなく笑うリドル先輩に、隣に座るAさんはこくりと頷いた。

リドル先輩の横に座るトレイ先輩とケイト先輩も、どこか気まずそうな表情をしていた。

リドル「そ、それにしても…、その………」

黙々と無表情で野菜を上品に頬張るAさんを見て、リドル先輩はとうとう言葉をつまらした。

肩も震えだし、大きくて綺麗な瞳には涙が溜まっていく。

リドル「…っすまない、1番辛いのは貴方だろうに…、」

ポロポロと溢れる涙を無理矢理拭うリドル先輩に、Aさんは食べるのをやめてリドル先輩を見つめた。

A「目は、擦らない方が良い…。

言った筈。泣きたいときは、我慢せずに泣いた方が良いと。

………………ローズハート…は、直ぐに我慢するから。」

おおう、珍しく長文を喋ったなとAさんを見つめたら、Aさんはいつもの無表情ではなく、どこか困ったように笑っていた。

これは、そうだな…。

「…あー、なんか予習したくなってきたなー！

ちょっと先輩たちとエースとデュース、それからグリムも手伝ってよー。

いやー、分からないところが多いしなー！」

我ながら酷い棒読みで肩をぐるぐると回して立ち上がると、グリムが呆れたように私の肩に飛び乗った。

いや、重いて。お前最近ツナ缶食べ過ぎな。

リドル先輩とAさん以外皆立ち上がってくれたところで、私はなるべく遠くに移動する。

リドル「ありがとう、監督生…。」

おっと、明日は槍でも降るかもしれない。