【ツイステ】私を忘れた皆さんへ。 (ページ34)

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３４.let's talk ページ34

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学園中を探し回り、やっと見つけた先はオンボロ寮の木の根元。

すぅすぅと規則正しい寝息が彼女から聞こえ、アタシはとりあえず彼女の怪我とやらを探す。

だが彼女の様子からはそんなことは伺えず、どう見ても健康そのものだ。

彼女から話を聞かないことには何も出来なかったので、アタシは彼女に寄りかかるように座った。

…本当は、地べたに座るなんて美しくないし、普段のアタシなら絶対にしない。

だけど、ぐうすか無防備に寝てるこの子の傍にどうしても居たくて。

気づいた時には座っていた。

彼女の傍は、美しくなくても良いかと気が緩む。

____何故だかは、到底理解できないが。

ー

「ん…」

ふっと目を覚まし、働かない頭で何をしていたかを思い出す。

肩に違和感を感じ、横を見るとユウが私に寄りかかって眠っていた。

1度目を覚ましたのか肩にはユウのブレザーがかかっていた。
全く、一丁前に格好つけてるんじゃないわよ。

肌寒い空気の中、眠っている彼女を横抱きにしてオンボロ寮の中へと入る。

そこら中に蜘蛛の糸やら床に穴やらがあり眉間にシワが寄るがそんなことは気にしない。

あくまで男として、彼女が快適に眠れる場所に連れて行ってあげるまで、アタシはこのボロいとこにも怯んだりしない。

ユウ「ん…」

「！…ユウ___」

ユウ「おかあ…………さ…」

「！…………」

この子は本当に可哀想。

知らない場所に来て、右も左も分からない土地で頼れる人もいなくて、たった1人でこの世界で過ごさなければならないのだから。

涙を流しても、誰も助けてくれないから。

彼女は誰にも助けも求めずに1人涙を流すのだ。

それでも彼女はニコニコ笑って誰かの少し後ろを歩く。

誰かが助けを求めれば、手を差し伸べて。

アタシは____。

ー

ユウ「…ん、」

「随分と遅いお目覚めね、ユウ」

片手に持っていたクッションを元に戻し、彼女と向き合うように目の前に立つ。

彼女は数回瞬きをした後「え？え？」と驚きを隠せずにいた。

そういえばあの狸はどこに行ったのかしら。

ユウが寝ているのを良いことにどこかに消えたわね…。

ユウ「あ、の…ヴィル先輩…」

「ユウ。

少し、お話しましょうか」