１２.reona・kingusukara- ページ12
いつも通りヴィル先輩と登校して、教室に着くといつもより騒がしい気がした。
モブ｢あ！！…ユウ、こっち来ちゃ駄目だ。ちょっと割とガチで着いてきてくれ！｣
｢は？なんでですか？｣
モブ｢良いから！ほら早く…｣
_｢ほう？こんな所までラギーの手がかかっているとはな。｣
真後ろで声がして、バッと振り向く。
あー、なるほどね。
後ろにいたのは、一国の第2王子様ではないですか。
そして後ろからパタパタと誰かやってきて、グイッと腕を引っ張られた。
ラギー｢…ちょっと、レオナさん。
これ以上この子に近づくようなら、オレ怒りますよ。｣
レオナ｢…ハイエナに怒られたところで怖くねぇよ。
それより、昨日殴ったのにまだ目覚ましてなかったか？｣
…殴った？
ラギー先輩を見ると、顔の至るところに湿布が貼ってあり頭は包帯でぐるぐる巻きになっていた。
獣人には、湿布は辛いものだろう。
それなのに……。
｢…なんで殴ったんですか？｣
レオナ｢そいつが、突っかかってきたんだよ。
アンタの考え方は間違っているってな。｣
ラギー｢間違ってますもん。
彼奴に騙されてるアンタは可哀想っすねぇ｣
彼奴って…多分監督生さんだよな。
それにしても…私のせいで怪我をしてしまったのか。
私のせいで…。
｢…要件を言ってください。｣
レオナ｢…あ？｣
｢立派な耳があるのに聞こえないんですね。
要件を言えといっているんです。｣
レオナ｢…なんで手前に指図されなきゃいけねぇんだよ｣
本当に呆れる。
監督生という立場でだけで仲良くしてもらってただけで、本当はなんとも思われてなかったということに…
自分自身でも。
本当に呆れる。
気合いを入れるように、拳をぐっと握った。
こんなやつは、もうどうでも良い。
自分に呆れながらも世話をしてもらった人にそんな態度は、一国の王子として、人としてありえない。
まさにラギー先輩は恩を仇で返されたんだ。
____こんな人に、気を遣う必要なんてない。
｢…要件がないなら帰ってください。
大切な友達を傷つけた貴方と、話すことなんてありませんから。｣
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作者名：いのさき。 | 作成日時：2020年10月4日 12時
