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「じゃあ…失礼します」
彼は私の後ろに立ち、私の手に沿うように自分の手を置いた。

「左手は丸める感じで…そう 基本はぶつ切りで」
彼のサポートのおかげか、何だか上手くいっている気がする。私はこれ以降一人でも作れるように説明を集中して聞いていた。


…がそれにしてもだ。気にしないようにはしていたか、かなり近くないか?お隣さんにその気がないのは分かっている。当然私にもそんな気は一切ないのだが。

いやいや、真剣に料理を教えてくれている最中に余計なことを考えてはいけない。そんなこんなで悶々としていると、耳元で突然声がした。


「?だ、大丈夫です?」
「ああ、すみません…ただちょっと近いかな…なんて…」
「近い…」
私の言葉を復唱した彼は、数秒後にバッと効果音が付きそうな勢いで私から離れた。


「アッ!ちゃ、ちゃうんです そういうつもりじゃ…!」
「いえ、こちらこそ違うんです。嫌だったとかそういうのではなく、ただ思っただけで…」


何だか変な空気になってしまって、居心地が悪い。彼にも悪いことをしてしまったな。脳内で反省会を開きつつ、料理を再開した。



「…あの、」
食材を切り終わり、煮込んでいる最中。私は彼が用意してくれたコーヒーを飲みながら、何か話題をと必死に頭を働かせていたのだが、彼のそんな声によって打ち消された。


「料理って、今まで1回もしたことないんですか…?」
「お恥ずかしながら…」
「じゃ、じゃあ…普段は何を食べて…」
「そうですね、」


私が普段の食事を語っている最中、彼はまるで私のことを未知の生物のような目で見ていた。

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ヨリ(プロフ) - 心春さん» ありがとうございます💖 (2022年10月24日 0時) (レス) @page15 id: c190102040 (このIDを非表示/違反報告)
心春 - えっ好き(*˘︶˘*).。.:*♡ (2022年10月22日 15時) (レス) id: fea60e915c (このIDを非表示/違反報告)
ヨリ(プロフ) - 柚衣さん» わ~‼️ありがとうございます🥲🤍 (2022年3月13日 17時) (レス) id: c190102040 (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - んふふ、めっちゃこの関係好きですwなんかたどたどしい感じで、可愛いですね (2022年3月13日 15時) (レス) @page7 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ヨリ(プロフ) - ロクロさん» コメントありがとうございます! (2022年3月12日 13時) (レス) id: c190102040 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨリ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年3月9日 20時

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