祓い屋ですが? ページ3
「なんなのよ!」
「それはこっちの台詞っ!」
放課後の教室で二人の少女が取っ組み合いの喧嘩をしている。
ものすごい形相で叫んでいるところから尋常じゃないのが伺える。
「うるさいのよ!」
「アンタがいると苛々するんだよ!」
まさに修羅場。
、
「クロさーん、これ僕が祓うの?」
場に似合わない間延びした声が聞こえた。
フードで顔が隠れていて性別はわからない。
肩に乗っている黒猫(クロさん?)に話しかけているようだ。
「当たり前だろ。逆にお前以外誰がやる訳?」
猫が流暢に話した。そして辛辣。
「え、ダルい」
顔が見えてないのにめんどくささが伝わってくる。
「ちょ、アンタなんなのよ…」
喧嘩してたうちの一人が不審な人物に声をかける。
唖然として喧嘩なんか忘れてるよう。
その様子を見て二人(一人と一匹)が話し始めた。
「これなら祓う必要ないでしょー?邪気もきえたし」
「ああ、そうだな」
「帰ろ帰ろー」
意味不明な会話をすると帰ろうとする。
「アンタなんなのよ!」
その人はちょっと考えると、口元に指を寄せて口角を上げる。
「祓い屋ですが?」
その仕草は夕陽と相まって映画のワンシーンみたいだった。
、
気付けばあの人はいなかった。
一体何者だったのだろうか。
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猫のお守りから発生。
需要があればかくかも。
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作者名:紅月まこと | 作成日時:2018年8月20日 18時