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二日酔いにより寝込んでいる鱗滝の代わりにAが三人の手当てを行い、朝ご飯を食べていると、錆兎が箸をおき「そういえば」と話を切り出した。
「A姉、選別の時に手鬼に会った時の事だが、あれはどういう事だ？」
「？あれとな？」
話を聞いてみると、鱗滝の弟子を何人も食ったと言う鬼に出くわしたと言う。
鱗滝の事を散々罵られ、頭に血が上ってしまった錆兎は自分の刀が刃こぼれしているのにも拘らず切りかかり、危うく頭を握りつぶされそうになったそうだ。
「……ほう？それで？」
その話を聞いただけで、手鬼の死亡フラグは立派にセメントと鉄で建設された。
もし生きてたら殺す。と呟いていたのを義勇が隣で聞いていたとは誰も思っていない。
……それで、と錆兎は続ける、死を覚悟した錆兎はギュッと目を瞑ったらしい。しかし、いつまでたっても痛みは来ない。
代わりに目の前の鬼の悲鳴と何かが潰れる音が聞こえたらしい。
目を開けてみるとさっきまでいたハズの鬼の姿はなく、かわりにドスドスと鬼の逃げる音がしたそうだ。
そのおかげで何とか錆兎は怪我をする事もなく、無事に義勇と真菰と再会出来たとか。
あとその出来事の後からAに貰ったお守りもないと言う。
嗚呼その事か、とAが笑った。
「それは妾の……お主らで言う血鬼術みたいなものじゃ。」
紙に呪文を書き燃やしたものを詰めたものだったと言う。守ると決めた対象が危害を加えられそうになると術が発動し、相手をどうしようもない恐怖心に包み、もしくは攻撃し、その場を離れさせる。
それだけじゃなく、木っ端みじんになるまでズタボロにすることもできるらしい。
だがその鬼に関しては自分の手でどうにかしたかったので、取り合えず相手の心にでかいトラウマを植え付けるまでで留まったらしい。
【一回泳がせてから確実に自分の手で潰す。】
これが水一門名物、鱗滝弟子ズ・セコムである。
約束通りのあの高級品のカステラをつまみながら錆兎があんぐりと口を開けた。
「そんなものがあったのか……」
義勇と真菰はそんな話を聞き流しながら二人仲良くカステラを頬張っていた。のんきである。結果錆兎無事だったし良いじゃん、今はこのカステラだよ、と言わんばかりだ。
確かに結果はどうあれ三人とも大きな怪我なく帰って来た事にAは酷く安堵した。
義勇が負う筈だった怪我についてもAの術によって免れていたのはまた別の話。
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月縹(プロフ) - 広海さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！！前程更新頻度は高くはないけど、見てくださる方がいるなら頑張れます😭😭 (2021年11月12日 21時) (
レス) id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
広海 - とても面白いです。これからもがんばってください! (2021年11月12日 20時) (レス) @page47 id: 4ad4f67aa2 (このIDを非表示/違反報告)
�桟鈬�(プロフ) - 闇姫さん» 嬉しいです！コメントありがとうございます！無限列車…カ、カキタイ… (2020年10月12日 20時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
闇姫(プロフ) - 凄い面白かったです！無限列車も見たいなと思っております！ (2020年10月12日 19時) (レス) id: aeb4d97102 (このIDを非表示/違反報告)
�桟鈬�(プロフ) - 腐りかけの果物さん» こちらこそありがとうございました！！他の作品(新作とか)なども読んで頂けると嬉しいです！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
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