7話 ページ7
「A、結弦くんはどういうものがいいのかしら？引退したとはいえ、食事には気を付けてるのよね？」
『タンパク質多めかな。あんまり量は食べられないから、少量でちゃんと栄養が取れるものの方がいいの。』
「じゃあ、献立はAに任せるわ。」
んー、何作ろうかな。
ー羽生sideー
お父さんと2人きりになってしまった。
なんか緊張するな。
「結弦くん、そんなにかしこまらないでいいからね。」
「ありがとうございます。」
「いや、でも驚いた。Aは自慢の娘だが、まさか結弦くんのようなすごい人と婚約することになるなんて、想像もしてなかった。」
すごいだなんてそんな、。
「Aの方がすごいです。いつも真摯に患者さんと向き合って、努力していて。尊敬しています。」
「そうか。子供とかは考えているのかな？」
子供か、。
「いつかはほしいと思ってます。子供好きですし。でも、Aの仕事のこともありますし、Aが望まないなら無理にとは思っていません。」
「そうか。まあ、よく話し合いなさい。Aの小さい頃の夢は優しいお母さんになることだったから、もしかしたら子供ができることへのあこがれが今もあるかもしれない。」
そうなんだ。
「Aが小さいころの写真は見たことある？」
「いえ。ないです。」
「じゃあ、アルバムでも持ってこようか。」
「ありがとうございます。是非。」
ー−−−−−−
ーあなたsideー
『ご飯できたよ。』
え？
『ちょっと、何してるの？』
「何って、昔のAの写真を見せてもらってる。昔からかわいいね。」
嬉しい、いや、そうじゃなくて。
『お父さん、なんで勝手に。恥ずかしいじゃん。』
「え、何で？全部かわいい写真じゃないか。」
「あら、懐かしい。ビデオも持ってこようかしらね。」
え？
『いやいやいや。待って待って。恥ずかしいから、だめ。』
「いいじゃないか。見たいよな、結弦くん。」
「はい。もちろんです、お父さん。」
え？
『結弦くんまで、。』
「いいじゃん。大丈夫だよ。全部可愛いもん。」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、恥ずかしいよ、、。
「じゃあ、ご飯食べながら、昔のビデオ見ましょうか。A、ご飯こっちに運んできて。」
えー、、ほんとに？
「早く。冷めちゃうよ。」
『、、うん。』
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作者名：かれん | 作成日時：2022年4月6日 7時
