6話 ページ6
「はい。僕としては結婚したかったんですが、Aさんがまだ心の準備ができてない感じがしたので、婚約という形を取らせていただいています。」
「あら、Aがごめんなさいね。」
「まあ、あれから特に問題は起きてないみたいだし、いいんじゃないか。不束な娘だが、よろしく頼むね。」
え？あっさりオッケー？
「羽生さん、よろしくお願いします。」
結弦くんもびっくりしてる。
「あ、あの。そんなにあっさりオッケーが出ると思ってなかったんですが、本当にいいんですか？」
「この前は大反対してしまったものね。ごめんなさいね。私たちも反省したのよ。こんなにAのこと大事にしてくれてる人に失礼なことをしてしまったとね。」
そうだったんだ。
「それに言い出したら2人とも譲らなそうだからな。羽生くん、あ。いや。結弦くん、Aはかなり頑固で一度言い出したら貫き通すタイプだから、苦労すると思う。よろしく頼むね。」
「そうよね。大学受験の時なんてすごかったものね。」
あ、それは。
「その話、聞きたいです。」
「あら、A言ってないの？」
『う、うん。言ってない。』
「まあ、あれは私も悪かったからな。」
私が説明した方が良さそう。
『私ね、本当は幼稚園から通ってた女子校の大学に行く予定だったの。、でも、どうしても医者になりたくて。それで、共学に行かせたく無いお父さんと大喧嘩して、お父さんが東大に入れたら認めるって言ったから、東大の医学部に行ったの。』
「東大の医学部って日本で1番入るのが難しい大学の学部だから、無理だろうってみんな言ってたんだけど、Aは受かったのよね。努力の天才。」
なんか照れる。
実家は居心地いいな。
「今日はお夕飯食べていくのかしら？」
あ、どうするんだろう。
『どうする？』
「どっちでもいいよ。どうしたい？」
うーん。
久しぶりだし、
『食べていきたいかも。』
「じゃあ、そろそろ用意しないと。A、手伝ってくれる？」
『うん。もちろん。』
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作者名：かれん | 作成日時：2022年4月6日 7時
