35話 ページ35
『迎えに来てくれてありがとう。』
「どういたしまして。どうする？何か食べて帰る？」
『どうしたい？お家で食べるなら、鳥南蛮にしようと思ってたよ。』
あれ。メディアの前でこんな能天気な会話していいのかな？
「え、いいじゃん。スーパー寄る？」
『うん。』
「あの、羽生さん。報道の件について一言お願いします。」
まあ、そうなるよね。
「あ、研修医の先生ですよね。もともと研修医がつくようになるって知らされてたので、なんとも思わなかったですね。A、行こうか。」
『うん。』
「あ、研修医の先生も今帰りですか？送りますよ。」
「え、いいんですか？」
「もちろんです。どうぞ。」
@車
「えっと、確か。川上先生ですよね？」
「あ、はい。今回はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
「いえ。こちらこそすみません。真面目に仕事してただけなのに。」
だよね、、
迷惑かけちゃったな。
「川上先生はすごく熱心だってAが言ってました。Aの手術の録画見て勉強してるそうですね。」
「はい。如月先生のオペは無駄がないんです。本当に美しいですし、尊敬しかありません。」
そんなに褒められると照れちゃうな。
「そうなんですね。」
「あ、ここで大丈夫です。ここのマンションなので。」
病院から近い。
やっぱり研修医のうちはこういうところが安心だよね。
「ありがとうございました。失礼します。」
『お疲れ様。』
ーーーー
@家
『ご飯作っちゃうね。』
「ごめん。一応説明だけしてもらって良い？作りながらでいいから。」
『あ、うん。外でお弁当食べてたら、話しかけられておかず交換して、一緒に食べただけだよ。さっきの写真は症例のデータを確認してた時の写真。』
「ん？待って。おかずの交換？」
『うん。私の唐揚げと川上先生の卵焼き交換したの。』
あれ？怒ってる？
「あのさ、ちょっと鈍感じゃないかな？」
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作者名：かれん | 作成日時：2022年4月6日 7時
