ホットココアをあなたに 3 (ページ27)

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27話ページ27

困ったな。

「A？大丈夫？」

『うん。』

まあ、患者さんに罪はないし。

いくか、、

『結弦くん、ごめん。ちょっと病院行ってくる。』

「そっか。送るよ。病院まで。」

『大丈夫だよ。結弦くんも疲れてるだろうし。タクシーで行ってくるから。』

「いいじゃん。ちょっとドライブがてら送るよ。」

本当にやさしいな。

『ありがとう。』

ー－－－－
＠病院

『遅くなりました。状況は？』

「心タンポナーデです。途中まで進めておきました。」

途中までって。最後まで自分でやってよ。

あれ？この子、研修医？

え、オペうまい。

『じゃあ、すすめます。電メス。』

「はい。」

ー－－－－－－
『完了。お疲れさまでした。』

「如月先生、ありがとうございました。」

『研修医の川上先生だよね？オペ上手だね。』

「ほんとですか？光栄です。ありがとうございます。」

素直でいい子じゃん。
あ、そういえば。

『オーベンは？』

「帰っちゃいました。今日は僕と○○先生が当直なんです。」

じゃあ、、

『○○先生を呼ぶわけにはいかなかったの？』

「心外の先生は、××先生以外の人は心タンポナーデのオペができないんです。あんまりみなさんオペが上手じゃなくて。」

だから、心外のヘルプでよく呼ばれるんだ。

『じゃあ、川上先生はどうしてここまでできるの？』

「え？」

『誰のを見て勉強してるの？』

「それはもう一人しかいないですよ。、、如月先生です。」

え？私？

「オペの映像をいつも見させてもらってます。、、はあ。俺の指導医如月先生ならよかったのにな。」

私の映像を？嬉しい。

指導医か、、。いつも断ってきたからあまり気が進まないけど、、

『総合外科の研修医になる？私が指導医になってもいいよ。』

「え？いいんですか？」

『まあ心外にも確認しないとわからないけど、川上くん優秀みたいだし、勉強熱心だし。』

「お願いします。」

『じゃあ、そういうことで。私帰るね。』

早く帰りたい。

結弦くんとゆっくり過ごせると思ったのにな。

「あの。今から帰りですか？俺、病院まで車で来てるので送りましょうか？」

うーん、ありがたい申し出だけど、結弦くんが嫌がりそう。

家ばれても大変だし。