ホットココアをあなたに (ページ8)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:32,792 hit

8話ページ8

ーあなたsideー

よくよく考えたら、羽生さんの前でジョギング程度で運動してるって言うのは変だよね。

「あの、良かったらこの後の練習一緒にやりませんか？リンク貸し切ってるので。」

え？

『あ、いえ。無理です。私滑ったことないですし。先ほど話した通り運動神経は壊滅的なんです。』

「教えますし、意外と滑れるかもしれませんよ。」

『お邪魔するのも申し訳ないので。』

「あ、じゃあ見学はどうですか？」

見学？

いいかも。体の使い方とか見たら、レントゲンもまた違った見方ができたりするのかな。

『お邪魔じゃなければ、行きたいです。』

「お、嬉しいです。じゃあ、ちょっと張り切っちゃおうかな。何か見たいプログラムとかありますか？」

プログラム？

フリーとかショートとかそういうことだよね？

詳しくなくてわからないな。

『おすすめで。あんまり詳しくないです。すみません。』

「あ、もしかしてフィギュア見たことないですか？」

『羽生さんがオリンピックに出られた時は新聞で一面に写真が出たりするので、静止画は見たことあります。ただ、動画でニュースを見るほどの時間はなかったので、しっかりとは見たことないですね。すみません。』

すごい失礼なこと言ってるよね。申し訳ないな。

「そんなに謝らないでください。むしろ燃えるっていうか。」

え？

「だって、ほとんど見たことないってことはもしかしたら、俺の滑り次第ではスケートを好きになってもらえるかもしれないってことですよね。どういう感じのものが見たいとかありますか？ロック系とかクラシック系とか。」

『えっと、、、クラシック系が見てみたいです。』

「わかりました。クラシックお好きなんですか？」

『はい。私、小さいころピアノが好きだったんです。医学部に行くか音大に行くか迷ったくらい打ち込んでいて。』

ピアノ、楽しかったな。帰ったら防音室でちょっと弾こうかな。

「あ、そうなんですね。じゃあ、もしかしてショパンのバラ1弾いたことありますか？」

『はい。バラ1でコンクールに出たことがあるので、思い出の曲です。』

「その時の音源あったりしますか？」

たしかピテ〇ナのコンクールだったから、YouTubeにあがってるはず。

えっと、、、

『ありました。これです。』

「それ送ってもらってもいいですか？」

『あ、はい。』

イヤホン用意してる。ここで聴くつもりなのかな？