ホットココアをあなたに (ページ39)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:32,797 hit

39話ページ39

『結弦くん？、、、どうかした？』

「あ、ごめんごめん。そういうことならいいんだ。じゃあ、こういうのはどうかな。」

ーあなたsideー

これって。もしかして、、

ペアリング？

『これ、私に？』

「うん。それ以外にいないでしょ。あ、もちろん手術とか仕事中は付けられないだろうから、チェーンも買ってきた。比較的装飾が気にならないやつだからネックレスみたいに手術着の下に隠して肌にあたっても気にならないかなと思って。」

そこまで考えてくれたんだ。

『ありがとう。』

「こうやってカップルっぽいことたくさんやったら実感も湧くんじゃないかな？俺たちの普通を見つけながら、楽しくやっていこうよ。右手出して。」

『うん。』

「お、ぴったりじゃん。Aちゃんも俺につけてよ。はい。」

『わかった。』

シルバーが白い手に映える。
綺麗。

結弦くんって絶対ブルベだと思う。

『結弦くん、淡い青とか淡いピンクの衣装たくさん着てほしい。』

「え、なんで急にそんな話になるの。」

そっか。流石に脈絡ないか。

『肌に映えるんだろうなと思ったらつい。あ、でも。黒とか濃いめの紫も似合いそう。』

「そうかもね。そういう衣装着ることが多いと思う。」

やっぱりそうなんだ。

「ラフマニノフのピアコンは濃いめの紫の予定。あ、この前のリハの映像見てほしい。ちょっと待ってて。」

『うん。』

本当にあの音源使うんだ。

オケのじゃなくていいのかな？

『ね、本当に私の音源でいいの？』

「え？なんで？」

『オケの方が迫力がある音が出るんじゃないかと思って。』

「迫力というより儚さを表現したかったからいいの。」

たしかに、結弦くんは儚さが似合いそうなイメージあるかも。

『え、この衣装きれい。』

「でしょ。世界観にぴったりだよね。」

『うんうん。』

そういえば、衣装着て滑っているところ初めて見たかも。

美しすぎる。

「どうかな？」

『すごくいいね。ラフマニノフの人生を表現しているみたいですごく素敵。』

「ラフマニノフの人生？」