ホットココアをあなたに (ページ38)

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38話ページ38

『夜ご飯作ってくるからちょっと待ってて。』

「今日は出前にしようよ。Aちゃん、疲れてるでしょ。ピザかサンドウィッチがいいな。」

いいのかな。、、

なんか栄養が偏ってないものとか食べたほうがいいんじゃないかな。

「これ食べたい。注文しよう。」

『本当にいいの？私、作れるよ。』

「大丈夫。Aちゃんは何がいい？」

そういえば、今日一日まだ何も食べてなかったかも。

お腹すいてきた。

『えっとね、、これ食べる。注文しちゃうね。』

「うん。、、よし。遠距離中のルール決めよう。」

ルール？

必要なのかな？

「Aちゃんはラインあんまり見ないから休みの日に送らないとね。」

『ごめんね。見るの忘れちゃって。』

「あ、そうだ。これ渡しておくね。」

これって、、

『合鍵？』

「うん。俺いないけど、泊りに来てもいいよ。」

『え、そんな。さすがに。』

「家に長時間帰らないの心配だから、もし気が向いたら来てほしい。だめ？」

あ、そういうことなら。

『うん。わかった。』

「あとは、、あ、そうだ。もしピアノで何か弾いたときはその音源を送ってほしいんだけどいいかな？」

『わかった。そうするね。』

「Aちゃんは何かルールにしたいものとかある？」

え、なんだろう、、、。

『特にないかな。』

「本当に？」

『あ、うん。』

「なんか寂しいな。」

え？寂しい？

「わがままとか言ってほしい。しばらく会えないのに寂しいって言ってくれないし。、、なんかさ、Aちゃんって俺のことそんなに好きじゃないのかなとか思っちゃう。」

『そんなことないもん。寂しいし、結弦くんのこと、すごく好きだよ。』

「ほんとに？」

『うん。でもね、わがまま言うのはあんまり得意じゃないかも。』

「甘えるの苦手？」

甘えるの苦手というか、、、

『私ね、結弦くんが初めての彼氏なの。だから、どうしていいのかわからなくて。』

ー羽生sideー

Aちゃんは心を開いてくれてないんじゃないかと思ってた。
甘えてこないし、ネガティブなことを俺の前では言わないようにしているし。

もしかしたら、あんまり付き合うこととかも乗り気じゃないのかなと少し悩んでたけど、

そうか。どうしたらいいのかわからなかったのか。