ホットココアをあなたに (ページ37)

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37話ページ37

「わからない？」

『うん。だってSNS見ないし、家あんまり帰らないし。ネットも医学系のサイトと政治系のサイトしか見ないからたとえ誹謗中傷されてても気が付かないかなと思って。』

「たしかに。ある意味最強だね。」

そうかな？

「もし何か異変が起こったりしたら、すぐ相談してね。たとえば、ストーカーとか。あとは、、直接文句言いに来た人がいたとか。あと、できれば引っ越したほうがいいかな。」

引越し？

『それは無理かも。』

「うん。でも、住んでる場所がバレてるのは危ないし、心配だから。」

そんな時間ないし、ピアノ動かすの大変だし。

「もしかしてピアノのこと気にしてる？」

『うん。防音室があるマンションって難しいし。』

「じゃあ、うち来る？」

ん？

今なんて？

「あ、ごめんごめん。まだ早いか。、、でも、俺のマンションは防音室ついてるし、床も厚いから多分ピアノ置けるよ。よくCMとかで、はなれがある家とか見るでしょ。」

え、そんなのあるんだ。

「あ、そっか。テレビ見ないのか。俺の家さ、はなれがあるからそこにAちゃんの荷物とかピアノとかいろいろ移動させればあんまり問題ないかなと思うんだよね。」

『今まではそこを何に使ってたの？』

「母とか人が泊まりに来る時の部屋にしてた。あ、でも、最近は使ってないからAちゃんが使ってても問題ないよ。」

でも、迷惑なんじゃないかな、、

1人でいたい時間とかあるよね。

「ごめん。迷惑だったかな？きっとAちゃんは1人でいたい時間あるよね。」

『今ね、同じこと考えてた。結弦くんは1人でいたい時間あるだろうし、迷惑なんじゃないかって。』

「そんなことないよ。俺たち、似たもの同士だね。、迷惑なんかじゃないよ。むしろうれしい。一緒にいる時間が増えるし。」

『私も。迷惑じゃないよ。』

今の家にそこまで思い入れはないし。

『お邪魔してもいいかな？』

「よかった。断られるのかと思った。」

あ、でも、、、

『しばらく引っ越しは無理かも。今、論文とか、大きい手術とかいろいろ控えているんだよね。ごめん。』

さすがに結弦くんのお家だと代行は使えないし。

「そっか。実は俺もしばらく忙しいんだよね。来週からアイスショーで全国をまわるから。あ、お土産買ってくるね。」

そうなんだ。

『うん。お土産、楽しみにしてるね。』

しばらく会えないんだ。寂しいな、、。