ホットココアをあなたに (ページ36)

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36話ページ36

「動画見た？」

動画？、、あ、もしかして。

『報告動画のこと？』

「そうそう。」

『見たよ。すごくきれいだった。』

「それを見たファンの方からね、ファンレターが届いてて。」

ファンレター？

『うん。』

それって、私がみてもいいものなのかな？

「これね、Aちゃんに来たものなんだよね。一応誹謗中傷だと困るから中身は確認させてもらったけど。」

『え、私に？ありがと、、。』

ー－－－－－－
如月Aさんへ

初めまして。私、羽生さんのファンの者です。
突然こんな手紙を送ってしまってびっくりされていると思います。
すみません。
実は以前、如月先生に父がお世話になり、一度だけお会いしました。
他の病院では手遅れでもう助からないと言われていた父の腫瘍を取り除いてくださった御恩は一生忘れません。ありがとうございました。
今も父は元気に生きています。
報道や配信で羽生さんの友達だということがわかったり、羽生さんの動画で恋人になったとわかったり、とても驚きましたが、嬉しい気持ちになりました。
私の勘は間違っていなかったと思ったからです。
かっこよく患者さんのことを救っていく如月先生と自分の信念を持ってたくさんの偉業を成し遂げている羽生さん。こんなにぴったりな二人はいないと思います。
それと、実は、如月先生がピアノを小児科で子供たちにむけて弾いているところを見たことがあるんです。
いつかこの音で滑ってくれたらいいななんて願望も持っていたので、夢がかなって本当に幸せです。
お互い普通の会社員ではないし、大変なこともたくさんあると思いますが、私はお二人が幸せになることを心から願っています。
どうか末永くお幸せに。

ー－－－－－－

「こういう手紙が何件もほとんどがAちゃんの元患者さんかそのご家族で似ているような内容だった。Aちゃんの仕事、素敵だね。」

こんなにたくさん。

「中にはAちゃんのことを心配している人もいたよ。もし、反対する人がいたら、やっつけるから相談してくださいって書いてる人も。」

『なにそれ。、、やさしいね、、みんな。』

「うん。俺も本当にいろんな人に支えられてるなって思うよ。、、だから、あんまり気にしないでね。」

ん？

『気にしない？』

「たまにね、反対してる人もいるんだよね。ちょっとひどいことを書いてるような人も。だけど、応援してくれてる人もたくさんいるから。」

そうなんだ。でも、、

『私、あんまり誹謗中傷とかわからないよ。』