ホットココアをあなたに (ページ28)

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28話ページ28

ーあなたsideー

無事に終わって本当によかった。

つかれた、、。

「Aちゃん、お疲れ様。」

『あ、結弦くん。』

「はい。これ。よかったら。」

ホットココア？美味しそう。

『ありがとう。いただきます。』

ん！甘くておいしい。糖分がしみる。

「ね、ちょっと見てほしいジャンプがあるんだけど、いい？」

『あ、うん。』

見てほしいジャンプ？なんだろう。

「ちょっと待ってね。少しアップしてから飛ぶから。」

『うん。』

すごい真剣な顔。

わ、今の。

「どうだった？」

『すごいきれいだった。え、今のはなんていうジャンプ？』

「4A。世界ではまだ俺しか飛べないジャンプ。」

え、そうなんだ。すごい。

「今日、調子よかったから飛んでみた。動画も撮っといてよかった。」

怪我とか足の負担とかいろいろ心配だけど、きれいだった。

「よし。そろそろ帰ろうか。」

『うん。』

「明日も休みなんだっけ？」

『そうだよ。』

「じゃあさ、うち来ない？」

え。、、

それって。

いやいやさすがにそれはないよね。

「あ、ごめん。深い意味はなくて、ただのお泊り。Aちゃんの家にいったことはあるけど、Aちゃんは来たことないし、どうかなと思ったんだけど。」

あ、なんだそういうことか。

『あ、うん。行ってもいい？』

「うん。よし、行こうか。あ、そうそう。それと、相談があるんだけど。」

相談？

『うん。』

「この前はまだ友達だったから、報道用の文書でも配信でも友達って明言しちゃってるんだけど、状況が変わって、今は恋人になってるでしょ。それを報告したいなと思ってるんだけどどうかな？」

なるほど。

『うん。良いと思う。』

「それでね、恋がかなうとかそういう感じの曲を滑っている動画で報告しようと思ってるんだけど、なにかいい曲ないかな？ドビュッシーの喜びの島にしようかなと思ったりもしたんだけど。」

『それは絶対ダメ。』

「え？」

『ドビュッシーは愛人とバカンスに行った島でこの曲を書いんだよ。』

「あ、そうなんだ。」

んー。恋が実る系のクラシックか。

あ。

『舞踏への勧誘ってどうかな？』

「えっと、あ。これか。あとで聞いてみるね。ありがと。」

『うん。ピアノの音源送ろうか？確か私のでよければあったはず。』

「お、じゃあそれで滑る。送って。」

『わかった。』