ホットココアをあなたに (ページ14)

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14話ページ14

ーあなたsideー

よし、弾ききった。昨日、結弦くんが滑ってるところを見て、インスパイアされて練習したんだけど、どうかな？

「すごい。なんか昨日のバラ1より好みかも。録音しておけばよかった。」

『録音なんてしなくても何回でも弾くよ。』

「ありがとう。ね、ロンカプも聴きたい。」

『うん。わかった。やってみるね。』

その後も楽しく遊び、結弦くんは夜ご飯を食べてから、練習に向かった。

次の日、大きな大きな事件が起きることをこの時の私たちはまだ知らなかった。

ー次の日ー

オペ疲れた、、。

あれ、今何時？

そろそろお昼ご飯かな？

「如月先生、お電話です。」

『あ、はい。ありがとうございます。』

なんの電話だろう。

『お電話かわりました。如月です。』

「もしもし。羽生です。」

え。結弦くん？

『どうしたの？何か怪我とか？病気？すぐ行こうか？』

「あ、ううん。違くて。ちょっとまずいことになったんだよね。」

まずいこと？

「一昨日、ご飯に行ったところとか、二人でリンクに入っていくところとか。昨日、Aちゃんのマンションに俺が入っていくところが週刊誌に撮られちゃって、熱愛報道が出てるんだよね。」

熱愛報道？

そんなの事実無根じゃん。

『ごめんなさい。私、もっと慎重に行動するべきでしたね。』

「いや、こちらこそごめん。それでね、一応メディア宛てにコメントと週刊誌に抗議文は出す予定なんだけど、もしかしたらAちゃんの個人情報とかが特定される危険性があって。」

なるほど。

『勤務先に抗議の電話が来たらかなり困るかな。業務に支障が出るし。』

「うん。だから、あらかじめAちゃんが医療従事者で迷惑になるから病院に取材や抗議の電話はしないでほしいって言うつもりなんだけど、どうかな？」

それは助かるかも。

『ありがとう。よろしくお願いします。』

「本当にごめんね。でも、俺アイドルじゃないし、こういうのはあんまり気にしなくていいから、これからもお休みの日に会ってくれると嬉しいんだけど。」

『うん。もちろん。結弦くんは気にしなくていいからね。』

「ありがと。じゃあ、またね。」

『うん。バイバイ。』

熱愛報道か。
どんなのが出てるんだろう。