[名探偵コナン] 雪が解けると… 1 .5(ジン)

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？｢あっ、｣

｢えと…｣

声の先に居たのは、一人の女性だった。


蘭「彼女は美幸(みゆき)さんよ。」


｢もしかして、｣

(…おかあさん。)

Aは腕の中の小さな彼女の心を読み取った。

｢鈴ちゃんのお母さんですか？｣

美｢っ！｣

蘭｢ちょ、Aちゃん！？違うわよ。彼女はーー｣


美｢…そう、です。｣

コ｢！｣

蘭｢美幸さん？｣


美｢でも私は…鈴を育てる事を諦めました。｣

｢…｣

それから美幸はぽつりぽつりと話し始めた。


当時大学生だった美幸は、佐渡昴と出会い交際していた。

2人の仲はとても良く、週末はデートしたり充実した毎日を送っていたそうだ。

その後妊娠が発覚し、美幸は昴の前から姿を消した。

彼に相談すれば…産みたいという思いを否定されると思ったからだ。

親に事情を話すと最初は怒られたが、最終的には産むことに了承してくれて子育ての準備も手伝ってくれた。

暫くしてお腹が大きくなった美幸は大学を休学し、無事｢鈴｣を出産した。


ーーだが、事件は起こった。

父と母が交通事故で亡くなった。

家は美幸と鈴の2人きりになった。

大切な2人を失った美幸は、何度も両親の後を追う事を考えるようになっていた。

だけど、それに鈴を巻き込みたくないと思った美幸はどうすればいいか分からなくなっていた。

その時に現れたのが、


美｢昴さん、でした。｣


彼はどこから話を聞いたのか、事情を知っていて

鈴を…引き取りたいと言ってきました。

美幸は了承し、彼は鈴を連れて家を去りました。

その後、大学を卒業して今は会社員をしています。

今日一緒に泊まっているのは会社の同期で、本来なら今頃近くの工務店に営業に行く予定でした。

ですが、彼がーー昴さんが亡くなって捜査のためこの場を離れることが出来なくなりました。


美｢私は…｣

美｢とんでもない過ちを犯しました。今更母親面なんて出来無いことはわかってます。｣

美幸の目からは深い哀しみと絶望が涙と共に溢れて零れた。

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