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「すいません、あのー、○△っていうクラブの場所知らないですか？」
「えっ、、すいません……
ボクもこの辺り詳しくないんです」
混み混みではないがそこそこ人のいる車内で、いきなり背の高い男性に声をかけられた。
壁際にもたれかかっていたオレはその人の顔を見上げて知らないと首を振る。
しかしその男はしつこく、今調べられる手段がなくて、調べて欲しいと手を合わせて頼んできたのだ。
スマホを忘れたのかもしれない、そう思って仕方なく、言われるがままに検索をかける。
「次の次の駅ですね……
駅からは10分くらい歩くそうですよ」
「ありがとう！
あーでも地図無いと分からないですよね…？」
「そう…ですね」
え？これはもしかして？と頭の中でぐるぐると言われている意図を考え始めて、１つの結論に至った。
その通りの事を、男は言い放った。
「案内してもらってもいいですか？」
ここまで調べたのに「行かない」なんて選択肢、可愛そうだと思って、電車代は払うから！と懇願され、気づけば頷いていた。
背の高い男と2人で目的地の駅を降りて、スマホの地図が指し示す方面に案内する。
その折、彼に徐に名刺を渡されて、自分はこういうものだ、と伝えられる。
「ホストクラブ、オーナー……」
「ごめんね。君、カッコ良かったからさ、どうかなって」
つまりあれか、オレは釣られたってことか。
ホストクラブの名前も、先ほど彼が行きたいと尋ねてきたホストクラブの名前だった。
…まじかよ、この人の話術にはまってしまったってことか…オレ。
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作者名：syuka x他1人 | 作成日時：2017年7月28日 23時
