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顔を赤くした女の子から彼を無理矢理剥がして、金だけ置いて2人で抜け出した。
去り際、みんなは驚いていたし、あの女の子は怒り出してすらいた。
ただ、なっちゃんは分かってくれたようで。
きっと後で収束するだろう。
それよりもこの人だ。
酔っているらしく、力はあまり入っていない。
小柄な俺でも今なら力で勝てる。
近くの公園なのか広場なのか、適当な場所に座らせて、息を吐き出した。
季節的には、夜ならもう息が白くなる頃か。
「かずぅ、何してくれんだよ」
「大野さんね。ダメですよこういう付き合い方は。
女の子に期待されませんよ！？」
「……ふはははっ！…ふぅ。
……そうだよね…分かってるよ。
俺、まだ無理らしいね、純粋に人を好きになる事は」
彼がだらんと椅子にもたれかかる。
俺もつられて後ろにもたれた。
「翔くんと松潤の事さ、羨ましいって思った事、ない？」
「えっ……？」
「俺はあるよ。
あの2人見てると、どうしても彼女が欲しいっていう気持ちにさせられる。
なんだろ、男同士なのに、綺麗なんだよな」
「わかりますよ。
俺も兄と潤くんが羨ましいです。でも俺は、それを励みに変えてますよ。せっかくいい景色を見れるんだから見届けようって」
大野さんは、兄貴と潤くんをみて羨ましいと思って彼女が欲しかったのか。
彼の言わんとすることが漸く分かって少しホッとした。
でも、あなたならさ…。
「むしろ、応援してあげてくださいよ。
その方が、大野さんにもより深く理解出来るんじゃないですかね、あの2人の事」
「かず……。
ふふっ、そうだよね。応援、、それをすっかり忘れてたな」
大野さんに手を差し出される。
初めて会った日と同じように。
俺も躊躇いなく手を差し出した。
一歩踏み出しましょう、って。
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作者名：syuka x他1人 | 作成日時：2017年7月28日 23時
