最後の青春時代（S×J）-2nd- (ページ20)

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2日目、飯盒炊爨

グループに分かれてカレーを作るというレクリエーション。

もちろん松本と同じ班にしてもらっていつものように手際よく調理する彼を眺めていた。

他の班員もさすがは潤だなぁと喜んでいる。

えへへと松本も調子よくなり
皆で手分けしてカレーを作っていく。

出来上がったカレーは、女子が主導権を握っていた班よりも美味しかったと思う。

問題はそんなところでは無い

ていうか上記の部分はすっ飛ばしていい。

調理場はもちろん屋外で、匂いと光に誘われた虫どもがやって来てたわけだ。

オレたちの願いとは裏腹に奴らは近寄ってくる。

特に女子たちが悲鳴をあげてその虫どもを蹴散らしていた。

その光景はオレからしたら割とげんなりするな

そう言うのが可愛いんじゃんって言う同回生の思考は置いといて…。

オレたちの班の具材にも虫が近付いて来たのだが…

「もー、虫さん。今はやめてよね。
オレたちカレー作ってるんだから」

また素っ頓狂な声を出しそうになった。

「虫さん」…？待て、可愛いかよ。。

てか虫に「さん」つけるって何者？お嬢様？

これには他のサークル員たちも驚いたようで、特に3回生女子が大喜びしていた。

「ええー「虫さん」て潤くん可愛すぎ！」

「ほら虫さん向こう行ったげて潤くんの為に」

もはや揚げ足である。

なのに松本はなにも気にしておらず

あ、虫さん飛んでった、さようならって手を振っている。

そう言えば今までも聞かなかったわけではない

アパートにいた虫に

「虫さんあっちいけ」

ってスプレーをかけていた事はあったと思う。

ただ、こういう「非日常」になるほど面白いぐらいにこいつのキャラが浮き彫りになってくるのだ。

はぁ可愛すぎる、と見惚れていると

「おい翔、顔が結構ブサイク」

と仲間に笑われた。

今日は夜2人にしてくれ、と思った。