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「ラブラブだなあおふたりさん」
「そうですか？昨日なんかくっついてくるから暑くて蹴り飛ばしましたよ」
「惚気かぁ？」
羨ましいよ、とぽつり。
その声が、聞こえなかったわけではないけど、妙に意味深だったからあえて聞かなかった事にした。
すぐに翔さんが扉を開けて出てくる。
彼も大野さんと似たような格好をしてグラサンをかけていた。
かっこいいなぁ…
それから中学生時代に流行った曲や今の流行りの曲を流しながら、オレはそれを口ずさんで楽しんでいた。
時期の影響も重なって予定より時間がかかってしまったが、その分車内の雰囲気は楽しめた。
それから観光気分で江ノ電を見たり水族館に行ったり、龍恋の鐘と、湘南を満喫。
翔さんや大野さんは何度か来たことがあるらしく、初めてのオレが行きたいところに付き合ってくれる。
そして、大野さんが一番行きたかった稚児ケ淵。
噂には聞いてたけど、ここまで綺麗だとは思わなかった。
まるで日本のウユニ塩湖。
「ほい、ここココ。…いいよねえ」
到着するなり自分の世界に入る大野さん。
オレと翔さんはその姿を見て何も言えず、水平線を目線で辿った。
「ここならオレずっといれそうだよ」
「大野さんて割とロマンチストなんですか？」
「んーかもね。ロマンチックなこと何もないけど」
スタスタと歩み寄って来たので疑問をぶつける。
大野さんは儚い笑顔を見せた。
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「あ、松本ちょっと待ってて」
突然、翔さんは岩場をひょいと登っていき向こうへと消えていった。
何だろうと思ったけど、大野さんがそこから動こうとしないのでオレも同じように岩場に腰を下ろした。
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作者名：syuka x他1人 | 作成日時：2017年7月28日 23時
