-闇-９ ページ37
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「なぁ、なんで分かんねぇんだよ！
オレが、既に魔法界に行けるのに1週間も行かなかったんだぞ！？
なんだよ、オレに同情すんなよ！
ボロボロにしろとか言うなよ！」
「し、翔くん…？」
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「お前が嫌いだ。
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どんだけ恨んでも、それでも嫌いになれないお前のことが嫌いだ」
翔は胸ぐらを掴む手をバッと離し、床に両手をついて項垂れた。
「嘘ついてんのにさぁ…ありがとうとか言うなよ…
ニコニコ笑うなよ…帰りたくないとか言うなよ」
翔がブツブツと床に向かって吐き捨てるように言葉を紡いだ。
「ずっと恨んでたのに…
お前を見るたびにそれが薄れていった。…消えてたよ、いつの間にか」
「じゃあどうして杖を取り上げて…」
智が翔の言葉を中断し問いかける。
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「オレだって、帰って欲しくなかったよ…」
「翔くん…」
潤は、どうしていいかわからなくなって、翔の顔を触り上げさせた。2人が、向き合う形になる。
翔の涙を、ポタポタと滴れる雫を、その手で拭う。
「オレも。
翔くんに騙されてたのに、翔くんのこと、嫌いになれなくて、そんな自分が何でか分かんなかった。
…だから、1個だけわがまま言わせてください」
「わ、我儘？」
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「ずっとここにいて…どこにもいかないで」
震えた、消え入りそうな声で、涙とともに発された。
翔は目の前の潤を直視出来ず、目を逸らす。
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作者名：syuka x他1人 | 作成日時：2017年6月20日 20時
