-光-１３ ページ13
「ここだよ。ちょっとオレ中に入って様子見てくるから、お前はここで待っとけ」
「ありがとう」
からんからんと店のベルが音を立てる。
いらっしゃいませ、と声が店内から聞こえ、その少し薄暗い店内を櫻井は見回した。
すぐに目当ての人物と目が合う。
「あら、翔さん。…いらっしゃい」
「よう、ニノミヤ」
【bizarre palace】
「奇妙な館」と称されるこの店はマジックバーだった。
何人かのマジシャンがバーテンダーとして働いており、客はそのバーテンダーからお酒とマジックを楽しむ事ができる。
櫻井はその目当ての人物【ニノミヤ】と対面し、味気のない挨拶を交わした。
「でもどうして急にこんな所に？」
「気が向いた…ってのは違うか。ニノミヤに聞きたい事があってここにきた」
「ほおぅ…何です？聞きたい事って」
ニノミヤは興味津々に櫻井の続きを待ったが、櫻井は頼んだカクテルを一杯飲んだだけでその後は何も言わなかった。
不審に思ったニノミヤはもう一度問いかける。
「聞きたい事って？」
「…今は言えないな。
じゃあ、また来るよ。その時はちゃんと準備しててくれ」
櫻井は手を上げて店を出る。
ニノミヤはその後ろ姿を見つめながら、モヤモヤとした感情を渦巻かせていた。
店の前で櫻井を見つけた潤は、ホッとしたように櫻井に駆け寄る。
どうでした？と問いかけると櫻井はニヤリと笑って
「オレならこの店を攻略出来る。お前と一緒ならな。
ただ、お前の魔法の力がどのくらいのものなのか、それを知る必要がある。今からあの店である事をしてくれないか？」
「…ある事、ですか？
でもオレが中に入ればバレますよ！？中にいる人たち、マジシャンなんですよね？」
「絶対に大丈夫だ。オレが細工をしたから」
「細工…？え、…細工ってなんですか？」
「まぁ行ってみればわかるよ。とにかく、今から言う事をあの店でやってほしい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：syuka x他1人 | 作成日時：2017年6月20日 20時
