この世にはいない。(S×J) (ページ5)

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-光-５ページ5

どうせこの世界は全て同じだ。

来る日も、また来る日も何も起きない、
面白い事は何一つない。

そして自分の事を分かってくれる人は誰もいない、
皆魔法使いの事を1番秀でた属性だと思い込んでいる。

彼の周りの環境が、まさに彼の人間界落ち計画に滑車をかけていた。

そして20歳の誕生日当日、潤は人間界に繋がる鏡の前に立ち大きく深呼吸をして魔法を唱えた。

「ファッドリーライセット！(鏡よ吸い込め)」

.

実際に降り立った人間界はとても眩しくて初めは目も開けてられないほどだった。

潤には全てのものが輝いて見えた。

窮屈に立ち並ぶお店
そのお店に並ぶ人
大きなビル
巨大スクリーンに映し出される映像…

どれもが潤の興味を惹き立てた。

しかしここが日本である事を潤は知らなかった。
人の話す声や唇を見ながら、とにかく話す言葉を理解しなければと、魔法を使い読唇させていただく。

それから潤は人間界の魅力にハマってたくさんの場所を見て触れて回っていたが、お金が無いと店にあるいろんなものが買えない事に気づく。

しかし彼にはお金がどんなものか想像できないため生み出す事もできない。

そこで、公園や道端にあるゴミや草などを魔法で食べ物に変えてそれを食していた。その時だった。